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第53話
「永井っ……ごめ、ん。俺、今日、行けなくなって…っ。」
『えー!まじで?急にじゃん!!なんか、体調悪そうだし、大丈夫?』
「…っ、う、うんっ。だいっじょうぶ…。」
『?うん。わかったー。残念ー。また今度な。』
「…っ、あ、ああっ。じゃっ。」
ピッ
「ふふ、良かったね〜。バレなかったかな〜?」
「うっ、ふぅっっんっっ!そ、すけ…。もぅ…もぅ、やろ?ね?やって?ぅうう、いれてっ!」
「ダメだって。もう少しだから〜。ね。」
星野が笑いながら俺の頭を撫でた。
話は前日に戻る。
俺は水族館で謝罪のキスとやらをした後、それで終わりだと思っていた。しかし星野はそんなに甘くもなかった。
星野の家に連れてかれて、すっぽんぽんに剥かれ、星野に提案された。拒否権がないから提案でもないんだけど。
「裕太、浮気したからペナルティね〜。」
「ちょっ、わっ、何?」
そう言って星野は俺の目に目隠しをした。視覚が奪われるとかなり怖いんだが。特に星野の前では。
「俺だってあんまり気乗りしないけどねー。…まー、これが終わっても、まだ陽子ちゃんと付き合いたいと思うんだったら、付き合ってもいいよ〜。」
「え?」
本当?しかし、1度上げてどん底まで下げるのは星野の常套手段。もう騙されたり、絶望したりしないぞ。まぁ、これから如何わしい事をされるのは避けられないわけだ…。
気になるのは、星野の口調。本当に気乗りしてなさそう。いつもは嬉々として俺に嫌がらせするんだが…。
「も、もう、首しめたり、俺を殺そうとするなよ。」
「ははっ、大丈夫〜。裕太次第だから。とりあえず、今は大丈夫〜。」
大丈夫じゃないな、これ。どうやったらコイツを煙に負けるのか、こればっかりを考えてしまう。
星野は軽い調子で笑い、次は俺の手を後ろ手で縛ってくる。本当にこのまま殺されないよな、俺…。裸で縛られたまま殺されるとか、嫌だ。
ぶぅぅんっ
「ひゃっっ!」
「はは、いい反応。」
「何?!」
「あぁ、ローターだね〜。」
「ロ、ちょっ…!わっっ!」
そのまま星野は俺の体に玩具を付けていく。こんな玩具使われたのは人生初で、俺は狼狽た。しかし星野が玩具を付けたところは、俺自身のつけ根あたり、後ろの穴の上…決定的な所からは微妙にずらされており、むず痒い感覚はあるが、まぁ耐えれそう…。
「次は乳首辺りに付けたいけど、裕太、乳首刺激するとすぐ漏らしちゃうしね〜。うーん、」
失礼だな。そんな言うなら、付けるな。星野は失礼なことを漏らし、結局、乳首からも少しずらしたところにローターを設置した。
……くすぐったい……。
「裕太どう?」
「…どうもないけど…くすぐったい。」
あと視界がゼロだから、星野の声が近づいたり離れたりが気持ち悪い。言うと怒られそうだから、言わないけど。
「ふーん。そっ。じゃぁ、また、明日の朝にね。」
「えっ、ちょっ、まってまって!俺、このままで?!」
星野は俺の回答に事もなげに頷き、そのまま出ていこうとする。俺は流石に焦る。
「うん。大丈夫だよ〜。寒くないように空調調整しとくし、定期的に見にくるね〜。」
いや、そう言う事じゃないよね?!
「無理無理!体制的にこれじゃ寝れないしっ!」
「ふふ、裕太、無理なことしないと、ペナルティにならないでしょ?」
星野が俺の頬を触りながらそう言う。こちらも多少は後めたいので、何も言えない。まぁ、このままごろんと寝転べば、寝れない事もないか…。しかし毛布ぐらい支給して欲しい。いえる立場でないけど。
黙った俺を残し、本当に星野はそのまま部屋を出て行った。これ、何?放置系のプレイか。
最初は訳が分からなかったこの変態プレイも、数時間すれば何となく分かってきた。かなり辛い。
ガチャリ
「裕太〜、どう??」
「あぅっ、ふっ、そ、すけ……そーすけ……。」
やっとかよっ!!
永遠にも思える時間が過ぎた頃、星野がひょっこり顔を出した。俺は熱に浮かされ、星野にすり寄る。
「ははっ、裕太の香り濃厚〜。ドロドロになっちゃって、大分出来上がって来てるね〜。はぁ、もう充分、可愛い。」
ひっきりなしに微妙な所を刺激されて、俺は生殺し状態だ。これならいつもみたいに、めちゃくちゃにされた方が数段マシだ。また目隠しで時間の感覚も曖昧になると、このもどかしい状態が永遠に感じられ、焦燥感で頭がおかしくなる。まるでヒートの時みたいだ。
「はぁ、はぁ、はぁ…そーすけ、そーすけぇ……ねっ、ね、しよ、しよ…。」
星野の声だけを頼りに、淫らに誘ってしまう。あれだけ拒否する行為も、今は欲しくて堪らない。自分が酷く下等な物に思えて、嫌になる。しかし止められない。
星野がくすくす笑う音がする。
「ねー、したいね〜。もう、すっごく気持ちよくしてあげたい。」
「あっ」
星野はそう言って、俺にキスをした。そのキスは優しくて、包み込まれるようで頭がホワホワした。期待で身体の熱が更にふつふつと湧き上がる。
あ、やっと…。
「でもダメなんだ〜。」
「え」
しかし俺の期待も何処へやら、星野はパッと俺から体を離した。
「ど、」
「はー、ダメだな〜。ここいると、裕太の匂いに俺も絆されちゃう…。直ぐにも犯したくなっちゃっう。」
「やっ、ちょっ、」
そう言って星野は部屋を出て行こうとしている。俺は焦り、痺れて不自由な四肢で星野に近寄るが、星野はもう触れる事も出来ない位置にいるようだった。
「また来るね、裕太。」
「いやぁっ、やぁっ……っ!そーすけ、そーすけ!?まっ、まって、まって…!」
バタンと、無慈悲にドアが閉まる音が聞こえた。
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次に星野がやっと現れたのは、おそらく朝になった頃だった。永井への断りの電話をそのまま入れさせられ、俺はもうボロボロだ。
「裕太、裕太?」
「そーすけ……ふぁっ…ぁ…」
「………うん。いいよ。裕太。玩具外すねー。」
「あっ、あぁっっっ、……っ!」
ペリペリとつけられた玩具が外されていく。開放感よりも、やっとしてもらえるという期待の方が大きかった。はやる気持ちを抑えて大人しくしていると、急に股間に激痛が走った。
「なっ、なにっっ?!ぐぁっっ!いったっっ!はぁっっ、うぅ゛…!」
「ごめんね。俺は直ぐに良くしてあげたいんだ。だけどね〜。ちょっと出すの我慢。ね?」
また…変な物をつけられる。あー、くそっ。コックリングか…。前につけられたやつ。めちゃくちゃ痛い…しかし、痛みにすら甘さが漂うから、尚更たちが悪い。
「なんっで……もー、はっ、外してっっ!そーすけ、入れて……ねっ、しよっ?」
腰が揺れて、大分頭が馬鹿になってる。ヤバイなと冷静な自分もいるが、止められない。
「ふふ、もう少しだから。ね?」
宗介はよしよしと俺の頭を撫で、俺を優しく仰向けに横たえた。縛られた手が解かれ、今度は寝たまま頭上で縛られる。目隠しは未だ取られない。
うわぁっ、動くな俺の腰…こんな、はしたなくて、馬鹿みたいだ。
星野が少し離れた感覚があり、また放って置かれるのかと、不安になる。不安で目隠しの奥でキョロキョロとすると、そばでギジりとベッドが軋む音がした。
ぐちゅりっ
「はぁっっ!うっあっ、……え。」
俺の自身が、肉に包まれる。俺は盛大に戸惑った。だって、これって、なんか……
こんな状況でも情けない事に快感は治らないが、俺は戸惑いで固まった。するとふわりと目隠しが外された。
「!!!なっ……なんでっっ」
「裕太くん♡はぁ…可愛いなぁ。やほ♡」
俺の上に跨る陽子ちゃんが居た。
※※※
《謝罪》
注意書きなく、女の子との絡みが入り、すみません。
次から、少しガッツリ入る部分話には先に注意書きを入れるようにします…。
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