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番外編②の2

「裕太〜、お風呂沸いたよ。先にお風呂に入っていいよ〜。」 「…おう。ありがとう。」 煌々と明るい室内、意図的に明るいバラエティーばかり観た。大分、ホラーの余韻からは解放された。うん。これなら大丈夫そう。 「はぁ……散々だな。もうホラーは絶対に見ないぞ。」 脱衣所で服を脱ぎ、風呂場に入る。……ホラー観た後にシャンプーするのって怖い。妙な視線を感じたり。しかしうだうだしていても仕方ない。俺は意を決して、…しかし目は開けたままシャワーを浴びて洗髪をはじめた。シャンプーの泡が目にしみるぜ。 ゴロゴロゴロ… 外では雷が鳴っている。 ……てかさ、まじで、今、 ゴロゴロゴロゴロ…ピシャッッッ、ドンーーッ! 「っ!!うわぁ……」 停電だ…。停電だけはやめてくれと願った矢先に…。 「どうしよう、どうしよう……」 ズ、ズズズ…… 「!!」 オロオロと真っ暗な風呂場でしていると、隅の方で何かが動いた気がする。脳裏に、昼に見た映画の血塗られた殺人鬼が浮かぶ。 ドクンドクン… いや、落ちつけ俺。なに考えちゃってんの。とりあえず、シャンプー流さなけば…。 ガチャ 「うぉっっ!!」 ドアが開き、大きい声を上げてしまう。顔を覗かせたのは、殺人鬼…。ではなく、勿論星野だ。当たり前だ。本当、なに考えてんの俺…。 「ははははっ、裕太、大丈夫〜?」 「宗介!!」 星野は俺を見て笑ったが、俺はそれに構ってられず、星野に駆け寄った。 「裕太、何そんなに怖がってるの?てか、身体ぬるぬるテカテカ…。なんか……エロ…。」 最後の方はボソボソと、星野が俺を見て呑気に笑って言った。くそー、なんでこいつは怖くないんだ…。 「宗介!これ、停電??」 「うん。落ちちゃったみい。この辺り一帯停電したみたい。復旧まで暫くかかりそう。」 「…え。」 そっか…。暫く…。へぇ…そっかぁ…。 「一応、此処にライトおいとくね。って伝えとこうと思って。」 ぽわりっ 星野は脱衣所の隅に、小さなライトを置いた。薄暗い小さな灯。色々な影がゆらゆらと辺りに映り、想像力が掻き立てられる…。主にホラーな想像力。星野の優しさ…?なのだろうが…。ないよりある方がいいんだろうけど、ぶっちゃけこれ超怖い。 「じゃ、俺、またリビングで…」 「ままま、待って待って…!!」 星野はそのままリビングに戻ろうとする。俺は全裸なのも構わず、星野を掴んでこの場を離れるのを止めた。 「どうしたの?」 「…あの………えと…一緒に、入る…?」 「え〜、でも俺、恋人とお風呂で2人とか、えっちな気分になるかも。お風呂で今週の回数消費したくないし……。」 回数…セックスの回数を週3回と決めさせたから、その事を言っているようだ。 「いいっ!!もう、そんなのいいから!」 「え?いいの?俺がえっちな気分なって衝動を抑えきれなくても、回数にカウントされない?カウントされないなら、一緒に入ってあげてもいいけど?」 「……っ」 見ると、星野は楽しくて堪らないと言った風に、ニヤニヤと笑っていた。 こいつ!わざとだ!!泊まりに誘わない所から薄々気付いてたけど…!『入ってあげてもいい』とか、本当…。 しかし、ここでダメと言えば、1人で風呂か…。仄暗い、水場で、1人。なんてか、それって凄く、ホラーだな……。 ゴロゴロ…… 「!!」 迷っていると、また雷の音がしてビクリとした。 「…イ……イイヨ…。」 「…あはっ、もー、裕太は仕方ないなぁ〜。」 ---- ザーーーッッッ 「ふー、温まる〜。気持ちいいね〜。」 「……そうか。」 星野は後ろから俺を抱きしめて、湯船に浸かった。星野に触れられ、警戒心で俺の身体は限界まで縮こまる。 「裕太は?気持ちいい?」 「ん。もっ、あんま、触んなっ!」 後ろからぬらりと乳首を触られる。 「湯船狭いし〜、それは無理〜。」 「ふっ、あっ、やめっっ…!」 乳首をコリコリとさすられ、俺の意に反してビクビクと反応してしまう。 「ふふ、裕太さ、えっちする時、乳首触られるの超嫌がるし、実は結構性感帯でしょ?」 「んっ、違っっうしっ…っ!」 「ふーん。あそ。………ねぇ、このまま乳首だけでイッてみてよ?」 「はぁ?!……っ!」 星野は俺の肩に顎を乗せ、耳元で囁いた。バシャバシャと抵抗するが、手を押さえられる。 こんなっ、気持ちいいと認めたくない。けれど、認めたくないと思っている時点で認めてるような。あぁ、もう、なんか、思考が、変。 「ど?いけそう??…ふふ、裕太、ふるふる震えてる〜。はぁ〜、かわい…。」 依然として俺の肩に顔を乗せたままの星野が、そのまま俺の耳を舐め上げてくる。背筋に妙なむず痒さが走った。 「ばっ、うるさっっ……ふぅっ……っ!」 ギリギリで耐えていた所を、そのひと押しで落とされる。本当…もう…俺の身体ぁ!!しっかりしろ! 「おぉ!!まじかぁ。イッた?」 「ハァッ……っ、ふぅ、ふぅ…っ」 星野が後ろから、ねぇねぇと煩い。今日初めて、室内が暗くて良かったと思った。だって明るかったら、俺が出したのがきっと見えてしまってる。 「ま〜、聞かなくても分かるから良いけど。」 なら聞くな。 星野はそう言って、へたった俺を引き寄せ強く抱きしめた。 「はぁ〜。お風呂で裕太とくっつくの幸福過ぎる〜。んー。」 「んっ」 そして、俺の首筋に顔を埋める。達したばかりで敏感になっているから、星野の髪や肌が触れてむず痒い。もうそろそろ離れてくれないかな…。 「ねっ…」 「っ!」 そのまま数分その状態でぼんやりしていたら、星野が妙に艶っぽく話しかけてくる。しかし俺がギクリとしたのは、背中に当たるものにだ。 「裕太、やっぱり俺、衝動抑えられない。」 「っ、あのっ、俺、ちょっと、のぼせたから…もう、キツイん…だけど…。」 これはちょっと本当。雨で気温が下がったとは言え、流石にこれだけつかっているのぼせてくる。 「…じゃ、上がってからしよ?」 「………」 そうですか。 ---- 「ふぅっ、あっあっ、んっ……っ、くっ!」 「はっ、でも久々お風呂でしたかったなぁ〜。」 正常位で俺を貫きながら、星野が呑気に漏らした。 「ふっ、今日の裕太っ、っ、超可愛かったし〜。」 「うゎっっ、くっ…!んっ、」 毎回思うけど、こいつもガツガツ動いて良くペラペラ喋るな…。 星野の顔が近づいてきて、反射的に顔を背けようとするが、顎を掴まれ強引にキスをされる。 「〜〜んっ!!」 そのまま乳首を刺激され、俺は呆気なく達する。 「ふふふ、えっろ。」 星野がそんな俺を見て、うっとりと失礼な事を呟いた。 「ハァッ、ハァッ……宗介、も、やめろ。これ以上はカウントするぞ。」 「えー!お風呂で約束したでしょ〜。」 「ここ、寝室だから。」 「何それ?新ての詐欺〜?」 毎度毎度、詐欺みたいな事するお前に言われたくない。 「無理〜、途中までして止めるとか。」 そう言って、星野が再び律動を再開する。 「ふっ、あっ、ちょっ、調子のるなっ!」 ドンッ 「たっ!」 おぉ!大体暴れても空振るやつが、今日は綺麗に星野に当たった!俺はささっと星野から距離をとる。 「た〜、もー、裕太〜。」 星野が腹をさすりながら、むくりと立ち上がる。 「宗介が、むりや」 ガタンッ 「わっ!……」 「……」 ゴロ…ゴロゴロ…… ガタガタ… 何処かで物音がする。外は風が強いみたいだから、そのせいか…? ちょっ…、折角頭からホラーがなくなってたのに…。 ガタガタッ 「!」 また物音が外からして、俺は思わず星野にしがみついた。風か。風だよな。マンションの上層階だからな、ここ。そりゃ、風の音も大きく聞こえるよな。 「ふふ、裕太、」 「あ」 はっと見上げると、星野が俺を抱きしめ笑ったいた。そうだ俺。なんで、また星野なんかにしがみついて…。 「おかえり。」 「ふぁっ、」 そう言って星野がキスをしてくる。 「裕太が回数がどうのとか、可愛くない事言わなきゃずっとそばに居てあげるけど、どうする?」 ニタリと、殺人鬼よろしく星野が笑った。

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