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第6話

 そして、ほぼ薫りがない胡蝶蘭に替わってリョウさんの男らしいセクシーなトワレだかの香りに包まれている幸せとかを感じながら乳首とお尻の穴を擦られるのは物凄い快感で、感じるまま声を上げてしまった。  「これはショーだ!!」って頭の片隅にはキチンと認識はしていたものの、その理性が紅色のドライアイスって感じで桃色の霧がもうもうと立ち上ってしまっていて、理性じゃないものに頭の中までがドライアイスの冷たさと触った時に感じる熱さみたいな感じだった。頭の中がぐちゃぐちゃで、理性も桃色のドライアイスの煙のようなもので覆われているような。  さっきまではお尻の穴に、あんなおっきいモノを挿れられるなんて恐怖以外の何物でもなかったし、もしかしたら裂けるかも知れない。そうなったら毎日の朝が拷問だろうな……と物凄く物凄く怖かったけど、リョウさんがコツを教えてくれて、本当に良かったと思った。  そして、言われた通りにしてみると、リョウさんの男らしい指が――何だか外国映画で観た覚えがある「手」単体のモデルさんのような理想的なフォルムなのは見ていた――穴の中を細心の注意を払っているのが分かる感じで触ってくれるのが嬉しかった、背筋にゾクゾクって氷と炎が同時に奔るって感じで、気持ち良くて堪らない。  続々と運び込まれている蘭の花が何だか「眠れる森の美女」――あっちは確か薔薇だったと思うけど――みたいな感じに並べられているのだろう。僕の位置からは持って入って来るところしか見えないけど、どれだけ胡蝶蘭の花が有るんだろうって思うことで辛うじて理性を保っていた。  ただ、乳首を触って貰っていて、ジンジン疼く熱い場所が融けて行くような気がした。  媚薬入りだとかいうローションの効き目も有ったのかも知れないけど、さっきの男が弄っていた時はくすぐったさの方が勝っていた。  それなのに、リョウさんの指で触られたり転がされたりすると、快感で背筋が反ってしまっていて。  まあ、ショーだからそちらの方が良いとは思うけど、これが二人きりだったらもっと良かったのにな……と甘酸っぱい思いがこみ上げてくる。 「ああっ……乳首……気持ち良いよぉ……。もう片方も、お薬使ってっ……。  それに……お尻の穴……ジンジンしちゃって……震えているっ……。  指でかき回してっ……」  ショーなので、この程度のコトは言った方が良いと思った。  ただ、リョウさんの長い理想的な男らしい指でお尻の中を触って欲しいと本当に思ったのも確かだった。でも、リョウさんのアドバイスでキチンと開けているという合図を告げた積もりだった。  伝わっているかどうかは全く分からないし、それにさっきの男が言ったように「インラン」だと思われているかも知れない。  リョウさんがどう思うにせよ、これはショーなのでこういう言葉はバンバン使った方が良いと思った。  さっきの控室でのユリさんも「こういう」声を上げていたし。  僕はさっきリョウさんに告げた通り生まれて初めての行為だった。それにそんなに「こういう行為」に興味もないし、女の子に――と言っても家からそんなに出たこともなかったので接点は殆んどないけど――「良いな」と思ったこともない。  その点、栞お姉様が見せてくれたリョウさんの画像に(凄くカッコいいな!良いなぁ、こういう人と恋人になったら)と思ったことも事実で、ショーとはいえこういう展開になったのは本当に嬉しい。  僕の「初めて」の人がこの人で本当に良かったと乳首を転がされたり、キュっと摘ままれたりして熱い電流が奔って行く陶酔の中で思っていた。  身体が意思に反してヒクリヒクリと撓ってしまう。  そして――何より僕の下半身が充血していくのを感じて物凄く恥ずかしいけど、これもリョウさんの指が僕の乳首を撫でたり転がしたりするせいだと思うと何だか誇らしさまでこみ上げて来るのも事実だった。  そうしたら、リョウさんが僕の身体をダンスのターンのように上手くリードして客席側に向けた。  今弄られているのは乳首なので、そっちを観客に見せたいという意図は直ぐに分かった。  リョウさんのリードは社交ダンスの時に貴婦人の身体を恭しさに満ちてるような優雅さだった。  そして、その時にチラリと見えたリョウさんのジムかどっかで鍛えている、惚れ惚れする肉体だった。筋肉が程よく付いていて、割れるべきところは最小限だけど割れているって感じ。僕のように筋肉が殆んどない貧弱な身体とかじゃなくて。  そして、舞台の後方の壁と、マットというかベッドらしきものの近くまで胡蝶蘭が敷き詰められている最中なのも。  リョウさんの指が僕の乳首をリズミカルに弾いてくれている。 「ああっ……いいっ……いいよぅっ……」  声が甘く高くなっているのが僕にも分かる。  リョウさん一人に聞いて欲しい声だったんだけど、あくまでもこれはショーだし、それに栞お姉様に言われてこの場に立っているに違いない。だから、僕はシンデレラのように王子様のパーティに招かれている真っ最中って感じだろう。  そして、12時を過ぎればカボチャの馬車も消えて元の灰被り姫に戻ったように、ショーの時間が終わればキョウさんのこの腕とかの「こういう行為」も消えてなくなるのだろうなと思うと、このショーが終わるのも何だか残念だった。  だから、このショーの時間だけでもリョウさんの愛の仕草をいっぱい味わいたい。  そう思ってしまう。  乳首を弾かれる度ごとに、ヒクリヒクリと身体が揺れる。それに連動して僕の立ち上がったモノももっとおっきくなって――そして薄っぺらいシルクに恥ずかしい染みがどんどん広がっていっているのが分かった。

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