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第7話
それにリョウさんの指が弄ってくれている乳首は熱くて熱くて、そして、もげそうな感じに硬くなっている。そして、神経が剥き出しになったようにリョウさんの動きに合わせて背筋から下半身には滾った熱流が、そして脳にはピアノ線を弾くような感じの快感を伝えてくれる。
すっごく良くって、どうにかなりそうだった。
しかも客席では皆が僕とリョウさんの絡みを見ているのも消え入りたいような羞恥と、それに反して何だか誇らしいような気がしている。
色々な思考とか快楽の熱くて甘い波とかが頭の中でぐるぐる渦を作っているようだった。
すると、リョウさんの長くて男らしい綺麗な指が僕のお尻の穴にゆっくりと挿ってきた。
さっき塗られたローションのせいでスルリと入りそうなんだけれど、浅い場所を探るように衝いてくる。
お腹に直結している一点を衝かれると物凄い紅い稲妻が全身に駆け巡った。
気持ち良くて気持ち良くてどうにかなりそうだった。それに、リョウさんの引き締まった唇が僕の前を愛してくれて、そんなトコに口を使って愛してくれるとは思わなかったけどとっても嬉しい。恥ずかしい液がリョウさんの口の中に吸い込まれて行くのも居た堪れないほど恥ずかしいけれど、物凄く嬉しい。
何だか本当の恋人のような行為をしてくれているようで。
だって、ユリさんは唇での行為の時にはゴムを着けないと絶対にしないとか言っていたし「本気」で好きな人にしか直接は出来ないとか言っていたような気がする。
ユリさんが言っていた前立腺という場所なのかもな……と頭の片隅で考えていたけれど、唇は勝手に動いてしまっていた。
「ああ……んっ……何。コレっ……ダメっ……出ちゃうよぉ……」
自分が自分で無くなっていくような気持ちがとてもイイ。そしてリョウさんに身を委ねて快楽を貪っているのが何だか嬉しくて堪らない。
リョウさんの舌が先端部分の小さな穴をこじ開けるような勢いで動いているのも、背筋から頭へと薔薇色の電流がパチパチと奔っているようだった。
唇が僕の急所から外れたかと思うと何だか寂しい。
ただ、前立腺をツンツンと突かれてもう爆発してしまいそうな気もして必死に耐えていた。
あんまり早いと、お客さんを満足させられないような気もしたし。
「一度出した方が良い。そうなったら、身体の力が抜けることは知っているだろう?その時に思いっきり穴を開け。分かったな?」
そうよりいっそう低い声で言われて、何だか救われたような気がした。救われたというか許されたのかもだけれども。
僕だってたまには自分で弄って出すこともある。でもこんな圧倒的な快感は知らなったけれど。
思いっきりお尻の穴を開くということは、待ち焦がれてジンジンしている場所にリョウさんの逞しくて太くて熱いモノが挿って来るのだろうか。
「分かった」とか「はい」とか言うとお客さんの興を削ぐような気がして、勝手に漏れる喘ぎ声のトーンを少し落とした。それだけだと伝わらないかなって絡まり合った視線で伝えた。
僕の気持ちが分かったのかリョウさんは何だか感心したような眼差しを浮かべてくれていた。感心して貰えるのは嬉しいけど、そんな大したことはしていないような気がする。
お尻の穴の浅いトコもコリコリと擦られてどうにかなりそうだった。
「ああっ……いちゃうっ……」
そんな言葉が唇から零れて落ちて行くのと同時に白い液を撒き散らしてしまった。
弛緩しそうな身体を必死に支えて、そしてお尻の穴を頑張って開けていると、リョウさんが何を思ったのか着衣を全て脱ぎ捨てて、眠り姫の舞台みたいな――あっちのおとぎ話は薔薇の花だったと思うけど、僕の場合は胡蝶蘭だ――トコじゃない所へと投げ捨てていた。
すっきりした端整な顔立ちも物凄くカッコ良かったけど、程よく筋肉の付いた身体つきとか、わざとらしくないほどの腹筋の割れ目とかが物凄くカッコ良い。
――それに、隆々とそそり立っているモノも物凄くおっきくて。でも、不思議と怖さはなかった、僕のお尻の穴に挿って来るのは分かっていたんだけど。
何でだろう?と思ってしまう。だって、詩織莉お姉様がリョウさんをこの舞台に送り込んでくれるまではあんなに怖くて仕方なかったのだから。
ああ、そっか。相手がリョウさんだからだ。
そして、舞台の上では胡蝶蘭が続々と運ばれてきている。
こんな豪華な御花畑――ユリさんはお誕生日のイベントで9鉢の胡蝶蘭を贈られたとか自慢げに言っていたっけ。
何でも一鉢が2万円もするらしい。僕は自分のお金というモノを持ったこともないし――外出の時はお父様が払ってくれたし、家に居る限りは何でも欲しい物は組の下の人とか家政婦さんが買って来て有るべき場所に何でもある。それに「身の安全」を考えて外には出るなってお母様が泣きそうな感じで言っていたので、コンビニエンスストアすら自分では行ったこともなかった。自分用のパソコンでユーチューブを見るくらいだった。
動画の中では色々な品物がいっぱい並んでいてとても楽しそうなお店だったけど。
だから二万円という金額がどの程度の価値があるかはハッキリと分からないけどユリさんが「これがナンバー1の実力よ」と物凄く嬉しそうに言っていたので、きっと高いんだろうな……とは思っている。
そういうお花畑みたいな場所で、栞お姉さんのスマホの画面よりももっともっとカッコいいし優しいリョウさんに抱かれるのは正直幸せだった。
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