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第8話
胡蝶蘭の分厚い花弁が身体のあちこちを刺激してくるのも凄く気持ちが良い。
今までだったら、自分のを弄って頂点を極めたらそれでスッキリした。それなにに、まだまだ身体がジンジン疼いているのは怪しげなローションのせいではないだろうと漠然と思った。
乳首も何だか理性を裏切って胡蝶蘭の分厚く乾いた感じの花弁を押しつけたくて仕方ない。少し身じろぎするだけで花弁が硬くなっている乳首に当たって物凄く気持ちが良い。
そして、お尻の穴もリョウさんの指の感触をしっかり覚えていて、そしてもっと奥に熱くておっきいモノを感じたいと切実に待ち望んでしまっていて……。
豪華な御花畑の褥に横たわっているというのはむしろどうでも良くて、王子様の愛撫だけを渇望してしまっている。
「ユキ……少しは落ち着いたか?そして休めたか」
スタッフに何か話していたリョウさんが僕の方へと歩み寄ってきた。
その男らしい端整な顔とか程よく筋肉の付いている引き締まった身体を見るだけで甘やかな気持ちになった。
そして、髪の毛を優しく梳かれた。リョウさんの熱い視線を顔いっぱいで感じるとそれだけで紅の電気がパチパチと音を立てて頭の中まで流れてくるようだった、しかも物凄い熱さと早さで。
ただ、リョウさんが僕の身体のことを心配してくれているのは、その誠実そうな口調とか心配そうな表情で分かった。
だから全然苦痛なんかを感じているんじゃなくてむしろリョウさんのくれる快楽を待ち望んでいることを伝えたい。
そして、未知の――僕の体験は前を擦って気持ち良くなった後にテッシュで包んでゴミ箱にポイすればすっきりした――悦楽に対する恐怖もあった。何だか自分の身体が自分の意思でコントロール出来なくなるような、そういう心許なさを感じてしまう。
それに、リョウさんのおっきくて硬そうなモノでお尻の穴を思いっきり擦られたらどんなに気持ちが良いだろうと思うと歯止めなんて効かない。
「ローションを塗られたところが……熱くて……ジンジンする。
そこが、自分の身体じゃないみたいで……怖い……。
何かで……満たして欲しくって……助けてっ……」
それは切実な気持ちだったのだけれど、さっきの控室で見たユリさんもそんな感じの声を上げて誘っていた。そういう言葉がお客さんに歓迎されるんだろうな……と思って、ワザと声のボリュームを上げたことも事実だった。
身体がこんなにも反応してるんだから、嫌がっているフリなんて出来ないし、する積もりもなかった。
ただ、荒々しい男達にベンツの後部座席に押し込まれた時には「初めてだから無理やりっていうのもアリっすよね。嫌がるバージンを手籠めにするっていうのも刺激的っすよ」とか聞こえてきてた。
リョウさんが舞台に上がる前には本当に嫌だったし怖かったので、そっち系になるのかと絶望的な思いで居たことも事実だったし。
でも、お姫様を扱ってくれるようなリョウさんの愛の仕草が気持ち良くて気持ち良くて、もっと先へと焦がれるような思いだった。
リョウさんに誘うように手を伸ばしてしまっていた。
こんな仕草をするのは、相手がリョウさんだったからだ。栞お姉様が見せてくれた画像に胸がときめいたのも確かだったけれど、実物はもっとカッコ良かったし、それに物凄く優しそうだったから。
リョウさんの指と僕の指がしっかりと絡み合った。
そして優しく半身を起すようにリードされて、唇が重なった。
眠り姫は王子様のキスで目覚めるというお話だったと思うけど、何だかそんな感じだ。
甘い口づけに頭の中も胡蝶蘭の紫に染まっていくような気がした。
リョウさんの長くて綺麗な指が乳首を軽やかに弾いては転がしているのも気が遠くなりそうな甘くて熱い電流がパチパチと乳首から脳、そして下半身まで貫いてる。
「イイっ」っていう言葉が止まらないし、その言葉を唇が零す度に吐息も甘くて声も高くなっているのをぼんやりと自覚した。
乳首がこんなに感じるトコなんて知らなかったけど……。
リョウさんの下半身と僕のがピタリと密着する。その刺激に僕のがおっきくなるのが分かった。
リョウさんのモノも熱くて硬くなっている。僕のモノに擦りあわされるように動いてくれて、たっぷりと湿ったソコが甘い水音を立てている。その度に背筋が反ってしまうほど感じ続けていたけれど。
「どこが良い?どこをもっと可愛がって欲しいんだ?」
熱く掠れたリョウさんの声は物凄くセクシーで、耳から脳にかけて電流じゃなくて火花が爆ぜるような感じだった。
そして、お尻の穴の中も何だか甘く熱い痺れが増していて……、ジンジンと脈打っている。
「全部良い……けどっ……。穴の中……も、触って……」
僕の声なんだけれど、何だか遠くで聞こえている。これからリョウさんに愛されるという予感で心臓が耳に上がってきたような拍動の大きさのせいで。
リョウさんの手が優しく、そして恭しい感じで動いた。
お客さんの方へお尻を向けられて、グイッと押し開かれた。これはショーだから、お客さんを愉しませないといけないんだ……と思っているのも事実だったんだけれど、本音は違った。
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