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第10話
僕の上擦った声で観客が一斉にこちらを見ているのが分かった。
確かにこんなショーをしているというのは穴が有ったら出来れば入りたいとも思っている反面、こんな恥ずかしい姿を皆の前で晒しているという気持ちが却って淫らな高揚感も高めていく。こんなことを考えるのは僕だけかも知れないけれど。
「分かった。両手を床に付けて、腰をなるべく高く上げろ……。
観客にも見えるように……そうだ」
キョウさんの声も低くてそして欲情に濡れているようなセクシーさだった。
ただ、やっぱり「観客に見えるように」って念を押された点で、ショーの相手方を務めてくれているだけなんだな……って思ってしまう。
でも、それだけで充分なような気もする。
さっきの男みたいに乱暴とか無理やりとかじゃなかったし、お母様の目を盗んでこっそり見た「そういう」サイトの「仲の良い恋人同士のH」っぽい感じもしたし。
だから、リョウさんのくれる快楽のコトだけを考えていれば良いんだ!って強く思ってしまう。
それにお尻の穴の中もジンジンと疼いている。僕が指で必死におっきくしたモノが僕の中に挿って欲しくて仕方がない。
その一心で、腰を高く掲げた。胡蝶蘭が惜し気もなくベッドみたいに敷き詰められている。
リョウさんのおっきくなって脈打つモノの熱が僕の指にも伝染したみたいで、それを冷まそうと手を胡蝶蘭に付けた。ちょっとは考えることが出来るようになった僕の頭が――それまではリョウさんのくれる紫色に煌めいたり弾けたりする快楽しか追えてなかった――ショーの演出効果まで考える。
「ちゃんと、繋がっているトコまで見せろよなっ!けちけちせずにっ!」
お酒をたくさん飲んだ感じのヤジが耳に届いたせいもあって。
やっぱり、お客さんは高いお金を払って見に来てくれているのだから、ちゃんとそこは応えなければならないなって思ったし。
だから、一番「恥ずかしい」場所が見えるように身体の位置を変えることにした。
リョウさんが耳に唇を寄せて来てくれた。その熱くて少し荒くなっている息すら耳朶を紅い色に染めていくような気がした。
「先程の注意は分かっているな」
さっきの注意はちゃんと分かっている。熱くておっきいのを受け入れる時に気を付けなければならない点だった。
そういうコトをキチンと説明してくれた上に、最後まで念押しをしてくれるリョウさんの優しさにさっきからとは違った意味で涙が零れた。
そして、リョウさんの熱い視線が僕のヒクヒクと動いている穴に当たっているのが分かる。見られて恥ずかしいんだけれども、もっと見て欲しいという不思議な欲求もこみ上げてきた。
お尻の穴を頑張って広げようと試みた。だって、そうでもしないとリョウさんは絶対に挿ってくれないような気がしたからだ。
「大丈夫。だいたい分かったから……」
「だから、早く来て欲しい」とまではやっぱり言えなかった。その代わりに首を振って僕がどれほどリョウさんのモノを望んでいるかを態度で示そうと思った。
リョウさんだけでなくって、観客の人にも楽しんで貰えるように。
「早く……リョウので……ココをいっぱいに……満たしてっ」
ユリさんも「こんな言葉で相手を煽ると悦ばれる」とか言っていたし、実際に僕がそう言うと、観客席からどよめきや歓声が聞こえた。
ただ、そんな外野の反応を気にしたのは一瞬だけで、ジンジンと疼くお尻の中をリョウさんの物凄く立派なモノで一杯にして欲しくて仕方がない。
そのことしか考えられなくなって、腰を高く上げる。リョウさんに早く来て!と強請るように眼差しで伝えた、伝わったかどうかは分からないけど。
リョウさんのおっきくて熱い、長いモノがゆっくりと挿ってくる。
僕が初めてだと知っているので、多分様子を見ながらダメだと思えば止める積もり感満載の動きだった。
そういう心遣いはとっても嬉しい。だけど、中を擦られるのは物凄く気持ちよくて、ユリさんがハマるのも尤もだなって一瞬だけ思った。
「ああっ……リョウの熱くて……大っきいの……。穴いっぱいに挿って来て……イイっ」
観客に向けてというよか、リョウさんに向けて言った積もりだった。
だって、本当にイイんだもん。ジンジンと疼く中を擦られるのがこんなに気持ちイイなんて知らなかった。リョウさんのおっきなモノで串刺しにされているのが、そして穴を目いっぱい広げられているのが物凄く嬉しくて仕方ない。
ジンジンと疼くトコに当たった熱いモノが擦られると頭の中にバチバチと火花が爆ぜるような気持ちというか。
もっと派手な火花が欲しいと思ってしまう。さっき弄られていた乳首が痛いほど固くなったままで放置されていたので、そっちにも刺激が欲しくなってしまった。
僕って欲張りなのかもしれないな。
「ああっ……気持ちイイ……イイよぉっ……。乳首も摘まんでっ……キツくっ……」
何だか僕の声とは思えない甘い声を出してしまっていた。でも口に出したことで、身体も蕩けてしまいそうになっている。身体というか、リョウさんを受け入れている穴全体かも知れないけど。
「こんなに蕩けた顔をして、小さな穴いっぱいに男を迎え入れて、喜んでいる。
オレだけではなくて、お客さんにも見て貰え……」
リョウさんがそう言ってくれたのも、何だか僕が僕だけの快楽に浸っているのを制止する目的があるような気がした。
だって、リョウさんはあくまで「ショー」の相手役だ。
だから、僕を気持ち良くすることだけが目的じゃなくって、ショーを盛り上げようとしているのも当然のことだろうと思った。
でも、一つだけ分かることはリョウさんって僕の身体のことを物凄く気遣ってくれている点で、それで充分のような……。
このショーが終わるまではリョウさんは僕の身体の中に居てくれる。それだけで。
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