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抱きたい
「志音……愛してる」
俺にキスを落としながらいつものように愛を囁いてくれる先生。俺が不安にならないようにいつもいつもそうやって甘い言葉を俺にくれる。
「俺には…お前だけだ」
「……うん 」
俺の部屋のより少し狭い先生のベッド。
お互い裸で抱き合いながら、俺は先生にキスをされる。ゆっくりと俺の体を弄る先生の指先に少しずつ体に熱が篭っていった。
「ねえ? 陸也さん……」
「ん? なんだ?」
ふと思ったんだ。
やっぱり一度湧いてしまった嫉妬心は消すことができなかった。
「写真の人……あの人とは陸也さん、受けだったでしょ」
「………… 」
先生よりも体格が良く歳上で、見るからにタチなその人が先生に抱かれてたとは思えなかった。
「一回でいいからさ、俺にも陸也さんのこと抱かせてよ」
先生がどんな風に抱かれるのか、どんな風に俺を受け入れるのか、俺も見たいと思ったんだ。
怒られるかな?
そんなの無理だと拒否されるかな。
「抱かせてって、お前は…… 」
「俺だって経験くらいあるよ? それに陸也さんと出会う前は女だって抱いて── 」
最後まで言い終わらないうちに乱暴に手で口を塞がれた。
……怖い顔。
「俺以外の奴とのことは言うなよ、聞きたくもない!……嫉妬で狂いそうになる」
そう言って噛み付くようにキスをされた。
「でもいいよ。それで志音の気がすむなら」
「……いいの?」
「そこまで言うならやってみろよ」
まさかオッケーしてくれるとは思わなくて驚いた。
きっと俺の気持ちを察してくれたんだ。
シャワーを浴びさせてくれという先生を俺は一人ベッドで待つ。 嫉妬で狂いそうになる……なんて、そんなの俺も同じだ。
緊張……
少しだけさっきの発言を後悔し始めたその時、先生がバスルームから戻ってきた。
ベッドに手をかけ、座っている俺の肩に顔を乗せて「お待たせ」と小さく呟く。俺は少し緊張しながら先生を抱きしめてキスをした。
そのままベッドに横たえ、俺はいつもそうされているように先生の内腿を優しく撫でた。
「本当にいいの?」
俺の下で横になる先生にもう一度聞く。
先生が嫌なら俺はいい。
「いいよ。俺も志音がどう抱いてくれるのか……見てみたい」
「………… 」
「でも、久しぶりだから優しくしろよ」
クスッと笑って先生は俺にしがみつきキスをした。
……なにそれ。
照れ隠しなのか、赤い顔をしてはにかんだ先生が凄く可愛く見えてドキッとした。
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