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第三章 狼は愛を乞う 3

 莉玖の名前を何度も呼び、五日ぶりの彼の肌を堪能する。身体中に舌を這わせる俺の事を、莉玖は喘ぎながらも、愛おしく抱きしめ返してくれる。 「あ〜…久しぶりの莉玖の身体…」  彼の肌に自分の唇が吸い付いて離れない。いや、離したくない。まるで発情した犬みたいに鼻息を荒くして、自分の徐々に硬くなる陰茎を彼の太腿に擦り付ける。  出来る事なら早く挿れたいが、今日はまだまだ彼を楽しみたい。  莉玖の肌をひとしきり舐めて弄った後、如月が置いていった乳首ローターのクリップを莉玖の尖りに挟む。スイッチを入れるとヴーンと静かなモーター音が響いて「はぁン♡」と可愛い声が漏れた。 「莉玖、その状態で俺のちんぽ舐めて」  莉玖はすぐに亀頭をちゅぱ…と一瞬含んだ後、竿にべろりと舌を這わせて無心で舐める。裏筋やカリ首を丁寧に舐めてくれるが、中々口の中に含んでくれない。今迄の莉玖は、こんな舐め方じゃなかった。もっと辿々しくて、焦らすなんて分からずにすぐにぱくりと咥えてくれた。だが、今日の莉玖は全然違う。  俺の黒々とした繁みに顔を埋めている莉玖を撫でながら、ここに居ない如月へのイラツキが増していく。  (あいつ…結局毎日ハメてるし、莉玖にこんなやらしいフェラまで仕込みやがって…すげー上手くなってるし…気持ち良いけどムカつく…俺が教えてる最中だったのに…) 「お前どんどんやらしくなってくな…」 「るっ…せぇ…ッ…んな事口に出すな…黙ってしゃぶられてろよ…」  莉玖の舌がまた「れろぉ…」と俺の鈴口に触れ、ゆっくりと口の中に含まれた。 「あー…莉玖すげぇ良い…やばい…」  ぐぽっ♡ぐぽっぐぽっ♡じゅぷじゅぷ♡じゅぷじゅぷ♡♡  俺が莉玖のフェラに目を閉じて感じていると、莉玖が俺の上に跨ってきた。  え? と思ってる間に、準備万端の柔らかな莉玖の淫肉に包み込まれ、あっという間に対面座位となった。 「はぁっ…はぁっ…」 「莉玖〜? お前もう我慢出来ねぇの? 自分から乗っかってくるなんてやらしー…」 「出来ねぇよ…散々お前のちんぽ待ったんだから…はぁぅ…♡あークソ…これも邪魔…」  揶揄った俺に対して、莉玖は顔を真っ赤にしながら乳首ローターを自分で外した。  完全にトロトロになった莉玖に素直にお強請りされるのはよくあるが、ツンツンが若干残ったままで素直に言われるのは珍しい。素直すぎて、こっちの顔が赤くなる。  乳首ローターを取った莉玖は、顔が赤いままの俺の口元に、自身の胸の尖りを近づけた。 「悠矢…やらしく舐めろよ…俺の乳首好きなんだろ…」  今まで言われた事がなかった台詞に、思わず唾をごくりと飲み込んだ。如月、開発し過ぎだ。セックスの際、俺が握っていたイニシアチブが莉玖に取られそうだぞ。  突き出された尖りをれろぉ…と優しく舐める。莉玖の顔が恥ずかしそうに歪んで、身体がびくびくと揺れた。  ちゅぱっ♡ぺろぺろちゅうちゅう♡♡ちゅう〜〜っ♡♡ 「んッ♡んフゥッ♡♡はぁっ…♡はぁっ…♡ひぅぅッ♡♡はぁン…♡」  舐めると莉玖はいつもの様になり、何とかイニシアチブは俺が握ったままで大丈夫そうだ。 彼の可愛い尖りは、先程まで乳首ローターでの刺激によりいつもよりも更に鋭敏に俺の舌の感触を捉えている様だ。  ちろちろと触れるだけで「ンン♡」と反応して、身体をびくんと跳ねさせる。 「おい莉玖ちゃんと見ろっていつも言ってるだろ…」  ちゅう〜♡じゅるじゅる…♡♡ぺろぺろぺろぺろ…♡♡ 「はぁぁん♡♡んぅ…♡それすき、あッ♡ゆうや…」 「腰止まってるぞ…お前が乗ってきたんだろ? ほら、俺のちんぽちゃんと感じろ」  莉玖のケツを揉みしだき、根元までぐっと押し挿れる。熱い淫肉がきゅうっと陰茎を締め付ける。莉玖が必死で腰を上下に動かしている間、彼のガチガチの陰茎を扱いてやった。 「あっあっあっあっ♡♡」  俺に跨って悶える顔。可愛くて離したくない。だけど今日はあいつの顔がチラチラと浮かぶ。 「莉玖…如月とどんな事した? 同じ事、俺にして?」 「え…斗真とやった事って…俺目隠しされてたからわかんねぇよ…あ…♡」 「ふーん…もうずっと斗真って呼ぶんだ。アイツにちんぽハメられて腰振った? お前のやらしい乳首もちんぽも孔も全部舐められた? な…莉玖俺とどっちが気持ちいいか教えて…」 「じゃあお前が思うように気持ち良くしてくれよ…そしたら教えてやる…」  優しく下唇をちゅうっと吸われて、俺の燃える心に薪がくべられる。ああ、莉玖、お前は何てやらしくなってしまったんだろう。  身体中が嫉妬と興奮で燃え盛る俺は、勢い良く莉玖を正常位にして、激しく腰を打ち付けた。左の膝裏をグイッと持ち上げると、より奥の方へ入る様に陰茎を捩じ込んだ。 「あ〜〜ッ♡♡はぁっ♡はぁっ♡ゆうやぁっ♡」  顔を横に逸らして快感に悶える莉玖にぐっと自分の身体を密着させた。莉玖の弱い耳を丹念に舐め、耳の穴へ舌尖りをぐちゅりと入れると、莉玖はまた嬌声を上げて俺にしがみつく。 「んぁっ♡んぁっ♡んぅぅッッ♡♡」 「莉玖? ほら教えてくれよ…さっきの答え。お前のケツまんこはどっちを欲しがってんの?」 「ひぎ…ゆ、ゆうやの…ちんぽ…おれのケツまんこは…ゆうやのじゃねぇといやだ…」 「……もう如月なんかに抱かせねぇからな…絶対…莉玖は俺のモンだから…もう俺はお前がいないとダメだ…なぁ、莉玖、俺の事好き?」 「はぁっ…♡はぁっ…♡す、き…ゆうや…すき…」  身体を捩らせて汗塗れの身体。シーツは皺が寄り、ローションでぐちゃぐちゃ。俺にしがみつく男の腕、背中に絡む筋肉のついた足。俺に興奮して反り立つ陰茎。男の身体を持つこの男が好き。男の身体で女の様に感じてくれるお前が好き。お前が何処にも行かない様に、鎖を付けて俺の元に縛っておきたい。  〝一生捨てないでくれ〟  莉玖、それは俺の方だ。  頼むから、俺の事を捨てないでくれ。  身体を繋げる以外、お前に愛を伝える方法が俺には分からないんだ。  どうしたらお前は、一生俺のそばに居てくれるんだろう。

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