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好きだと言って(3)
「ってー! 何すんだよ」
「そんくらいで痛がんじゃねぇよ! つーか、んなの根拠なんかないじゃん。根拠ねぇこと言ってるお前がばかだろ。ばかばかばかばかぶぁーか!」
「なんかすっげーイラッとくるんですけど。あー! なんかまじでイラッとくるんですけど!」
「うぎゃ!」
俺はお菓子を買ってもらえなかったガキみたいに喚く翔琉の前髪を掴み、さっきの仕返しに胸ではなくおでこに頭突きをしてやった。
「いたぁい! 痛い痛い痛い痛い痛い!」
「だぁー! もううるせーよお前!」
「痛い痛い、痛いー!痛……んぅ……ッ、」
あんまりうるさいから、前髪を掴んでいた手を離して後頭部に滑らせると、もう片方の手で顎を押さえて、それから口を塞いだ。
さっきまで喚いていたせいで、口が開いていたから舌も入れやすくて。
奥に逃げようとする翔琉の舌に絡ませてしばらく遊んだ後、歯列をねっとり舐め回して唇を離した。
「ふ……っ、はぁー……」
さっきまでのうるさかった翔琉はどこへ行ったのやら。
頬は真っ赤で、目はとろんとして。
口の端からこぼれてる二人の混ざり合った唾液が、妙に色っぽい。
大人しくしてれば本当に可愛いのに。
「翔琉」
俺は、さっきから掴んでばかりだった翔琉の前髪を今度は指で掬い、もう一度キスをした。
翔琉は頬を真っ赤にして、「ばかっ」と呟くと、俺の胸元を数回叩いた。
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