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好きだと言って(5)
「翔琉?」
“もういい”は? 言わないの?
「うぅ……、」
ぽとり、じゃなくて。翔琉の目からぽたぽたと、涙が次々にこぼれ落ちる。
怒らせたんじゃない。
やばい……、傷つけてしまった。
「翔琉、泣くなよ」
「……っ、う、」
ゴシゴシと、手で強く涙を拭く翔琉の手を掴む。んなことしたら、赤くなんだろ。
俺はそっと翔琉の目尻に触れ、親指の腹でできるだけ優しく涙を拭った。
だけど涙は止まらなくて。
やばいな、これはまじで。
ここまで泣くのは初めて……?
いや、初めてじゃない。
俺に気持ちがバレた時にも、こんなふうにコイツは泣いてた。
何で、泣いてる?
さっきの言い合いが原因ではないはず。
翔琉が泣いてるのは、もっと大事なことだよな?
「翔琉……」
「も……、いい、」
「え……?」
「いつも、いっつも、俺ばっかじゃん! 俺ばっか、裕介のこと、好きで、俺ばっか、俺ばっかいっつも、裕介のことで、必死になってる……!」
「翔琉……」
「裕介の気分で、キス、してくる、だけで、他は何も、変わってない、じゃん。幼なじみの、ままでも、同じじゃん……!」
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