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好きだと言って(6)

「もっと、くっつきたいけど、暑いから、近寄るなって言う。勉強教えてって、言ったら、本当に、勉強しかしない。好きって言ったら、はいはいって言う。俺は、毎日毎日、どんどん好きになるのに、裕介は全然、変わらない! いつまで経っても、“好き”だって、言ってくれない!」 「翔琉……」 「片想いしてる時より、つらい。手に入らないって、言い聞かせてた、頃のほうが、よっぽど、ましだ。今は、手に入ったのに。手に、入ったのは、形だけで、裕介じゃない……!」 言いたいことを一通り言い終わると、翔琉はまた“もういい”って言った。 いつも怒って言う、その言葉とは意味が違う。 それくらいはすぐに分かる。 確かに、いじめすぎたって自分でも自覚はあるよ。 コイツの反応が可愛いから、ついつい酷い言葉を言ったり、酷いことしたりした。 だからって、翔琉のこと嫌いなわけじゃない。 嫌いだからこんなことやってしまうんじゃない。 俺だって、一応は色々考えてるんだから。 「あのな、翔琉、」 ぽんぽんと頭を叩いて、真っすぐ目を見つめる。 翔琉は眉根を寄せて、それから俯いてしまった。 「俺がどんなにお前のこと好きか分からない?」 俯いてふるふると震えてる翔琉のおでこに、ちゅっと優しくキスをする。 “お前は知らないだろうけど” そう言うと、翔琉はゆっくりと顔を上げた。 そっと頬を両手で包み、今度は唇にキスを落とす。 「俺、今までに本気で好きになったの、お前だけ」

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