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好きだと言って(7)
あーあ、言うつもりなかったのに、こんなハズいこと。
はあー……って、わざと長いため息をついて笑ってみせると、翔琉は驚いた声を漏らし、もともと大きい目をこぼれそうなくらい大きく見開いた。
「知っての通り、付き合ってた奴いたよ? だけど、好きになる努力をしてみても、お前がずっといるんだもん。デートしてても頭ん中はお前ばっかでさ。帰って来てお前に会うとすげー落ち着いて。やっぱ翔琉じゃなきゃなあって、いつも思ってた」
「ゆ……すけ……」
「こんなばかの塊みたいな奴、しかも幼なじみで男を好きになるとかあり得ねぇって悩んだ時期もあったけど、好きな気持ち全然消えねぇし。だからお前が俺のこと好きだって分かった時、本当に嬉しかった」
「……っ、」
「けどお前って単純ばかだし。キスはできてもそっから先ってやっぱアレじゃん。知識あんのかも分かんねぇし。いきなり俺が乳首舐めたりとかアレしごいたりとかさ。尻の穴に指とか突っ込んだりしたら、お前絶対引くって思ったんだよ」
翔琉の手を握り、それから指を絡ませる。
真っ赤になった翔琉は、恥ずかしくなったのか目を逸らした。
「俺、一人でやるようになってから、よくお前で抜いてたし。現実になったら何しでかすか分かんねぇって、だからずっと手ぇ出せなかった」
“分かる? 俺なりに一応は大事にしてきたつもりなんだけど?”
翔琉のこめかみに中指を当てて、ぐりぐりと刺激する。
それから、翔琉が「痛い」と言って目を瞑った隙に、唇にキスをした。
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