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好きだと言って(8)

「お前が何されてもいいって言うなら、くっついたり何したっていいんだぞ?」 “どうする?” そう言っておでこをくっつけ、鼻を擦り合わせると、翔琉はぎゅうっと俺に抱きついた。 「くっつきたい」 「覚悟できてんの? 手加減しないからな?」 「いい……、裕介には何されても、」 首筋にキスをすると、翔琉はくすぐったいと身を捩った。 「それじゃあ、順番にキスから始めますか」 ゆっくりと、ソファーに翔琉を押し倒す。 すると急に緊張してきたのか、翔琉の体がガチガチに強張った。 本当に、こんなんで大丈夫なのか。 「だいじょ、ぶ……っ」 心の声が通じたのか、目を瞑って気をつけの姿勢のまま翔琉が口を開く。  「ふはっ」 やべー可愛すぎなんですけど。 サービスして、とびきり甘くて深いキスでもしてやろうか。 顔を近付けると、体の重みでソファーが音を立てて沈んだ。 真っ赤になって目をぎゅうっと瞑った翔琉が、俺の背中に手を回す。 「翔琉……、」 でもその前に。 “好き”よりもっと、 もっと大きい俺の気持ちを伝えてから。 「愛してる」 耳元でそう囁けば。 ふにゃり、 嬉しそうに微笑んで、翔琉が“俺も”と小さく呟く。 「もう、絶対言ってやらねぇから」 “今日だけ特別だからな” その言葉に、ぷうっと唇を突き出し拗ねた翔琉。 俺は、その可愛い翔琉の唇に噛みつくようにして、また唇を重ねた。 END

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