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それだけ?それとも……。(9)

「僕は、違った、から、達久くんに、触ると、嬉しいし、幸せになる、から! それなのに、特に何も思わないって、昨日達久くんが言った! だから同じクラスの子の手も触ってみた。僕は同じこと、聞いたんだ、だけど、みんな、特にって、」 「俊太……?」 「分かんないこと、分かったけど、達久くん、は、僕と、違うから、だから、僕はっ、」 俊太の言ってることが、イマイチ理解できない。ちょっと待って、これはどういうこと? 「俊太……、」 俺に触れると、嬉しいし幸せ──それを、ああやって何度も手に触れて確かめてた? だけど、俺と俊太の気持ちが違う? それで俺はみんなと同じだって? そういうことなのか? 泣いてる俊太を前にして、しかも自分が泣かせてしまったわけだし、冷静になんてなれないけど。 それでも少しずつ、俊太の言ってること──何を言いたいのかが分かってきた。 でも、これってさ。 すごく、俺に都合の良い言葉なんだけど。 「俊太……?」 なぁ、これは俺の勝手な勘違いじゃないよな? 「……うぁ、」 「俊太、」 俺に触るのは嬉しいし幸せ。だけどどうしてそう思うのか、分からなかった。 だから何度も何度もあんなふうに触れて確かめて、俺に聞いてみたら分かるかもってってあの質問をしたんだ。 だけど俺が特に何も思わないと、そんな返事をしたもんだから自分の気持ちとは違うって分かって、クラスの男子の手に触ってみて、俺への特別な気持ちに気づいたんだよな? 「俊太っ、」

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