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永遠に(5)
「は、い……」
胸がいっぱいになって、“はい”の二文字すらもうまく言えない。
でも泣いてばかりじゃダメだから、頑張って目を開くと、彼の目を見つめ、それからそっと手に触れた 。
重ねた手が、震える。
「とおるくん」
「ん、」
「ごっこ遊びみたいな結婚式しかできないのが僕らの恋の現実だけど。それでもね、僕は君とずっと一緒にいたいと思うよ」
彼は俺の手を握り、甲を撫でると、それから指を絡ませた。
「誰からも、祝福されないかもしれない。社会から白い目で見られることも、あるかもしれないね。だけど僕は、君と、これからの人生も歩んでいきたい。何があったって、二人でいられれば、それ以上幸せなことなんてないんだから」
彼は絡ませた指先を少しずつ深くして、根元までくるとぎゅうっと俺の手を握りしめた。
その手も少しだけ震えている。
彼の言葉はいつだって温かい。
その温かさで包み込んで、俺に居場所をくれるんだ。
「とおるくん。君は色んなことで、すぐに悩んでしまうところがあるよね。でもそれは逆に考えれば、それ程僕との将来を真剣に考えてくれてるってことでしょう?」
「秋野さん……」
「僕は君と出会って、恋人になれたことを後悔したことはないし、君との関係を恥じたことだってない。君が女だったらいいなって、そんなことを考えたこともない」
「……っ、」
「分かるでしょう? 君だから……、とおるくんだから、こんなにも愛おしいんだよ」
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