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分かったことは。(15)

「そんなことさせて、申し訳なかった。僕の勝手な気持ちで、君に嫌な想いと嫌なこと、させてしまったね、」 「主任っ、俺、」 「仕事の残りは、僕がやる。野崎くんは、残りの連休、楽しんでください。そして、……そして、連休明けたら、また僕のこと、主任って呼んでくれると、嬉しい」 野崎くんごめんねと、主任が俺の手を離した。 くしゃりと笑った主任の目からまた、涙がこぼれて流れていく。 「……ごめん。僕が残りって、言ったけれど、今日は、今日はもう、できそうにないや。ごめんね、野崎くん、ごめんなさい」 来たばかりだけれど、帰るね──と、椅子を支えにしながら、ふらふらとした足取りで立ち上がる。俺はその背中を見つめることしかできない。頭の中が、ぐちゃぐちゃで、何も。 俺のことが好きだから、二人になりたかったって? わざと仕事を押しつけたって? 「……っ、」 嫌悪感なんて感じない。さっきの泣き顔を可愛いって思ったみたいに可愛いと思うし、主任に触れた時の気持ちはよく分からないけれど、仕返しだとかマイナスの感情ではなかったことは分かる。 それにきっと、主任の好きっていう気持ちとは、まだ同じじゃないだろう。でも、だけど。

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