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君と会える日後日談(4)
「時雨……? どうしたんだよ」
「皐月くん……っ」
「時雨……?」
「ごめん、な……さい、」
「何が、だよ」
「何をしたって、雨じゃなきゃ、ダメなの……っ」
時雨の言葉を聞いて、俺の手からホースが離れた。くねくねしながら水を撒き散らし、地面に落ちていく。
「皐月く、ん、ごめん、なさ、い……」
「……っ、」
何度も何度も、時雨が謝罪の言葉を口にする。
俺はそんな時雨の言葉に、自分がしたことをひどく後悔した。
晴れの日でも曇りの日でも、雨の日みたいに一緒にいたいと願う気持ちは、俺よりもずっとずっと時雨の方が大きいに決まってるのに。
普通に過ごしたいと願う気持ちは、時雨の方が大きいに決まってるのに。
だから、どうしたら見えるようになるかなんて、時雨自身が色々と試しているよな?
それでもダメだったから会えるのは雨の日しかないんだ。
「……ごめん、時雨」
俺は、自分のことしか考えられてなかった。
時雨を傷つけてしまった。
「時雨、ごめん。ごめん、俺……」
「さつき、くん、ごめんなさい……」
傷つけたかったわけじゃない。
ただ君が見えるようになったらって、君と一緒にいられる日が増えたらって。
ただそれだけの思いだったんだ。
ごめんな、時雨。
俺たちはその後、もう涙が出なくなるんじゃないかっていうくらいに、二人でずっと泣き続けた。
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