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君と会える日後日談(5)

時雨が見えなくなって、五日目の土曜日の朝。 俺は外から聞こえてきたうるさい音で目が覚めた。 重い目蓋を手の甲でこすり、だんだんと意識がはっきりしてくると、その音の正体が分かった。 「雨だ!」 すぐに布団から飛び出し、カーテンを開けると、大粒の雨がたくさん窓にぶつかっていた。 「すげぇ……! 大雨だ!」 “やったー!”と叫んで、その場で数回飛び跳ねる。やっとだ。やっと。 「時雨に会える!」 俺はダッシュで着替えを済ませると、朝食も食べずに少しのお菓子を持って家を飛び出した。   「皐月くん!」 「え、時雨?」 家を出てから数メールもしないうちに、前からすごい勢いで時雨が走って来た。 嬉しそうに笑うその顔に、俺の頬も緩む。 久しぶりの時雨。 「起きたらね、雨が降ってたから、皐月くんに会いたくて、すぐに家を出て来たよっ」 はぁはぁと息を切らして、肩を上下させる時雨が可愛い。 「俺も、起きてすぐに家を出て来た! 時雨に会いたくて!」 お互いにやることが同じで、思わず笑ってしまった。 俺が真っ先に時雨のことを考えたように、時雨も俺にすぐ会いたいと思ってくれていたことが、たまらなく嬉しい。 俺は、時雨の手を強く握りしめた。 「公園に行こう? 雨だったらきっと俺ら以外に誰もいないはず」 俺の言葉に時雨が大きく頷いて、俺たちは手を繋いだまま水溜まりで遊びながら公園に向かった。

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