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君と会える日後日談(6)

公園に着くと、俺たちはトンネルみたいな形をした遊具の中に入った。 思った通り、雨の日に公園に来る人なんかいなくて、俺と時雨の二人だけ。 雨はいつだって、俺たちにとっては特別だ。 「公園を二人占めだね」 にこにこ笑って、時雨がそんなことを言う。 俺は胸がぎゅうっとなって、繋いでいた手を離し、今度は時雨を強く抱きしめた。 とくとくと心地よい心音に、温かい体。 あぁ、俺の腕の中に時雨がいる。 温もりを、感じられる。 「時雨」 名前を囁き時雨の肩に顔を埋めると、俺の背中に時雨の手が回された。 「時雨、この間はごめんな」 「ん……。もういいよ。こっちこそごめんね?」 ぎゅっと、時雨が抱きしめる力を強める。 俺は顔を少し上げて、時雨の頬にキスをした。 「皐月くん、あのね」 「ん?」 「この間のこと、確かにちょっと悲しかったよ。皐月くんにつらい思いをさせちゃったんだなぁって、何で僕はこんな体なんだろうって」 「……っ」 「だけどね、それ以上に嬉しかったんだ。皐月くんが僕と一緒にいない日でも僕のこと考えてくれて、会いたいって思ってくれてることが」 「時雨……」 「僕ね、皐月くんを好きになって良かったって思うよ。今日だって、すぐに会いに行こうとしてくれたことも嬉しかったんだ」 “僕ってすごく愛されてるね” へへっと笑って、時雨がそんなことを言う。 声が震えているなぁ、なんて思っていたら、俺の胸元がじわりと熱くなった。 時雨、泣いてるな。 俺は抱きしめる力を緩めると、時雨の頬を両手で包み込んだ。それから頬を伝う涙を、親指の腹で優しく掬う。

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