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強がりないちご(14)

「なぁ、綾瀬」 「なに、」 くしゃくしゃと片方の手で頭を撫でられた。置かれた手の温もりが心地良い。 「お前が俺のこと避けるからさ、嫌われたのかな? とか、何かしちゃったのかな? とか、色々考えたわけよ俺は」 「うん……」 でも、と言葉を続け、森川は俺の頬にキスをした。それから鼻にも。 なんだかくすぐったい。 照れて目を瞑ると、まぶたにもそのキスが落とされた。 「心配してた俺もばかみたい。悩んだのもばかだった」 「え……」 「お前も俺のこと、すげぇ好きなんだよな」 ゆっくりと目を開ければ、いつもにまして優しい笑顔を俺に向けている森川と目が合った。 何と返事をしたらいいのか分からず黙ったまま見つめることしかできない俺の頬に、森川が指先でそっと触れる。 それから、今度は唇に温かい感触がした。 「普段は照れ隠しで可愛くない態度ばっかりでさ、ばかって言ったり、叩いたりして」 「……っ、」 「そのくせ、いつも言い終わった後にしょんぼりするだろ? それにさっきだって、俺のことでこんなに泣いて」 「森川、」 「そういうお前を、たまらなく愛しいって思っても仕方ないだろ?」

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