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俺を愛して(4)

「こんな時間までどこにいた」 家に帰り着いたのは、日付が変わった頃だった。 喫茶店を出てから一度家に戻ったけれど、まだ情事が行われているかと思うと、怖くてドアが開けられなかった。 仕方がないからぶらぶらして適当に食事を済ませ、それから近くの公園で時間を潰した。 「どこって聞かれても……。そこら辺をぶらぶらしてただけだよ」 何だか疲れがどっと溢れてきて、俺はイライラしている隼人を見ることなく、そう言ってベッドに座った。 ふわりと香る、知らない女の匂い。甘ったるい匂いにくらくらする。 シーツ、替えなきゃ。今すぐにでも。 こんな臭いシーツで眠ることなんかできない。 はぁ、と心の中でため息をついて、めんどくさいと思いながらも立ち上がった。 けれど、舌打ちをした隼人にベッドに押し倒されてしまった。 「は、やと……っ」 「てめぇの口の利き方が、なんか腹立つ」 「痛っ」 手首をキツく掴まれ、ベッドに押しつけられる。 鼻にまとわりつく女の香水で、最悪な気分。 隼人は何がしたいの。 さっきまで他の奴とイチャイチャしてたんだろう? 俺のことなんてどうでもいいくせに。 「どこにいたんだよ、」 「だからそこら辺だっ……、んっ!」

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