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俺を愛して(7)

いっそのこと別れようって言ってくれれば良かったのに。いつまでも恋人という枠に閉じこめおかないで、もういらないって捨ててくれれば、俺だって少しの期待を胸に苦しむこともなかったんだ。   「せめて、俺といる時、くらいは……、優しく、して欲しいって……ずっと思ってた!」 俺は、近くにあった枕を手に取ると隼人の顔に投げ付けた。跳ね返って落ちたその枕をもう一度掴み、もっと近い距離から隼人にぶつける。 「俺のこと、見てよ……。ちょっとくらい、気持ち、返して……」 叩いても叩いても気が済まない。涙で視界が滲んでいるせいで隼人の顔は見られないけれど、ずっと黙ってそこから動かないでいる。 そのうち、枕を掴む握力がなくなってきて、俺は力の入らないその手で隼人の顔を直接殴った。けれど、すぐにそれもできなくなってしまった。ただでさえ心がぐちゃぐちゃなのに、泣いて叫んで、もう力は残っていない。 俺は、振り上げた手をだらりと下ろし、静かに目を閉じた。 俺なんかが隼人にこんなことをしたんだ。怒った隼人が仕返しをするか、別れ話をされるかだろう。 でも最後に言いたいことが言えて良かった……。 そう思ったのに。 隼人は、殴るわけでも別れ話しをするわけでもなく、優しく俺を抱きしめた。 驚いて目を開くと、ぽろりと涙がこぼれて、隼人の服に染みを作る。 「やっと本音が聞けた」 「え……」 

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