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見てるよ。(17)

「原田の嘘に乗っかったんだよ。さっき言ったばかりなのに。最初から分かってたってさ。……原田は何かを考えて、こんな嘘をついたんだろ? 俺は、原田が考えたその何かを分かった上で、この嘘に乗っかったんだよ。お前と、同じ気持ちだったから」 ここまで言って分からなかったら、これからは原田のことをバカ扱いするからなと、笹野くんは僕の目を見つめた。 どういうこと? 嘘に乗っかったのは、僕と同じ気持ちだったから? 「……っあ、」 触れられている足首に熱が集中するけど、ぐるぐると色んなことでいっぱいになっているこの頭の中で、もしかして? とあり得ない考えがふと浮かんだ瞬間、足首に集まっていたその熱が、今度は頬に集中した。 うぁ、と変な声が漏れる。立ち上がろうとしてみたけれど、笹野くんが足首を掴んでいるから、それが叶わない。 やっと分かった? って、そう言う彼に対して頷くこともできずに、僕はただ俯いた。 だって、僕は。 僕は笹野くんが好きで、だから二人でいたいって思ったから、こんな嘘を……っ。 「原田、」 「……や、」 「原田、俺を見て」 「む、り……」 「今、俺を見て。ねぇ、」 「や、だぁ……」 「俺のこと、ちゃんと見て」

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