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今、君に。(1-2)

何が普通で、何が異常かは、実際のところ決められてるわけじゃない。 ただみんながそうだからって理由で、それが何となく普通になって。 そしてそこから外れることを、周りはひどく恐れるんだ。 付き合う対象が異性じゃなきゃいけないって、そんな決まりもないのに。 好きだから一緒になりたいと、そう想う気持ちは他の誰とも変わりはないのに。 この気持ちは俺のもので、大切にしていいはずなのに。  それなのに、どうして、気持ちを受け入れてもらえないのか。 一体何の罰なの? 俺たちは純粋に想い合っているだけで、誰にも迷惑はかけていない。 好き合うのは、そんなにも罪なこと? 俺たちが何をしたの。 何をすればみんなの言う、大好きな普通になるの? 気持ちを、殺せば良かった? そうしたら満足する? 何を、どうすれば良かったの。 好きな人と笑い合って、楽しく過ごしたいと願っただけじゃないか。 何が、だから、どうして。 俺にはもう、何も分からないよ。 「あ、つしっ、あつ、し……」 「しゅん……」 「……ぅ、あ」 「ごめんな……」 思わず伸ばしたかけた手は、春に触れることはなくて。 俺は、そのまま春に背を向けた。   “守れなくてごめんな” それでも……。

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