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ミサンガ続編(2)

「なぁ雅宏、俺ね……」 祥汰は部屋に入るとすぐに俺のベッドへと腰掛けた。 俺に話しかけるその声のトーンも何もかもいつも通りで。 何を話しに来たのかは分からないけれど、このままだと流されて普通に会話をしてしまう。 「祥汰」 「ん?」 いつもの雰囲気に流されてしまう前に、作戦を決行せねば。 一呼吸分の間を置いて、俺は何度か練習した言葉を口にした。 「俺さ、もう疲れたんだよね」 「は? 何に」 「お前との関係に、だよ」 緊張で手が震えてきたから、俺はそれを隠すように後ろで握りしめた。 「なにそれ……。意味分かんねぇし」 ほんの少しだけ、低くなる祥汰の声。 その反応に、震えながらも期待が募る。 「だってお前からキスしてくれることもねぇし、好きだとも言ってくれねぇから、本当に俺のこと好きなのか? っていつも気にしてばっかで、それがすごく疲れるんだよ」 「……っ、」 「それに、付き合ったら少しは素直になるかとも思ったけど、暴言とか暴力とかも変わらねぇじゃん? 可愛くないっつーかさぁ。やっぱ幼なじみのまんまが楽だなぁって思うわけよ。お前もそう思うだろ? 俺らさ、付き合う前だって仲良くしてたわけだし」 「……。」 ごめんと何度も謝りながらも、早く泣けと願う俺の矛盾する心。 祥汰がぐちゃぐちゃに泣いてくれれば良い。別れたくないって俺にすがってよって。 でも俺だって言いたくないこと言って頑張ったんだから、これくらいいいよな?

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