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ミサンガ続編(7)

◆雅宏side◆ 数時間経っても、隣の祥汰は何も言ってこない。 本当にもう終わり? もう戻れない……? 俺はカーテンがきちんと閉められている祥汰の部屋を、ベッドに座ってぼんやりと見ながら、さっきのことをずっと後悔していた。 言わなければ、いつも通りにしておけば良かった。 そうしたら、こんなことにだってならなかったんだ。俺の部屋に来た祥汰と、楽しく過ごしていたはず。 あれ? そもそも祥汰は、どうして俺の部屋に来たんだ? 何か言いかけて、それ聞く前に俺が話を遮った。 いつもの雰囲気に流されたら困るからって、祥汰が話し始めてすぐに。 結局何も言わずに帰って行ったけど、何か話があったはずだ。 いつも通りにゲームをするなら、俺に断りも入れずに勝手に箱から出し始めるから。 じゃあ、何を? もしかして、祥汰も別れ話だった? だからすんなりと受け入れたのか? いいや、違う。それならそう言うはずだ。祥汰のことだから、それは黙ってない。 俺だって同じことを考えてたと、そう伝えるに来まっている。 だったら何? 何を言いに来た? 「……っ」 俺はダッシュで階段を下りると玄関を飛び出し、隣の家のチャイムを鳴らした。

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