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ミサンガ続編(11)
◆祥汰side◆
ミサンガを握りしめた雅宏が、今度は俺を優しく包み込んでくれた。
こんなことをする意味も、まずこうして俺の部屋に来た意味も、何もかも分からない。
疲れたからと、別れ話をしたのは雅宏で。
つまりそれは俺のことを、もう好きではないってことであって。
それなのにどうして、こんな。
「……っ、」
雅宏の腕の中から逃れようと、手足をバタつかせ必死にもがく。
頼むから、離して。
「祥汰、」
だめだよ、耳元で名前を呼ばれたら俺は……。
「離せっ、」
俺はまだ、雅宏が好きなのに。
「祥汰……」
離せと言って暴れても、雅宏は俺を解放してくれない。
さっきは簡単に別れようと言ったのに、今は離してくれないんだ。
勝手な雅宏。これも素直になれなかった俺への仕返しなの?
どうしようもないから、俺は雅宏の背に手を回した。思いっきり背中に爪を立てる。服越しでも痛みがはっきり分かるような強さで。
これなら雅宏も離してくれるだろうと、そう思ったから。
けど、抱きしめる力がまた強くなった。
何をしても離さないと、そう言われているような気がする。
ねぇ、雅宏。どうしてこんなこと。
「俺のことまだ好き……?」
その言葉の意味は?
まだ、好きでいていいってこと……?
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