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ミサンガ続編(13)

「良かった、」 「え?」 「嘘で、良かった……」 腕の中から聞こえる、安堵した祥汰の声。 俺は何も言えなくなって、祥汰のおでこにそっとキスをした。 続けて頬にもキスを落とすと、分かっていたけれど涙の味がする。 何度も頬に口付ければ、祥汰がくすぐったいと身を捩った。そして俺を上目遣いで見つめてくる。 「可愛い……、」 今度は唇にキスをしようと顔を近づけた時、へにゃりと笑った祥汰が、好きだと小さく呟いた。 「……っ、」 一気に顔の熱が上がる。 抱きしめてるせいでバクバクとうるさいこの心音は聞こえているはずだから、せめて顔だけは見られないようにと、もう一度強く引き寄せて腕の中に閉じこめた。 「雅宏、」 「ん」 「これからも、よろしく、」 「………ん、」 幸せで、胸が満たされる。 酷いことをしてしまったけれど、気持ちが確かめられて良かった。 涙で視界が揺らいでいく。 俺は、その涙がこぼれないように、祥汰に気付かれないように、そっと天井を見上げた。 「ミサンガ、後で一緒に付けよう。祥汰の方を、俺が付けるな」 「……ばか、」 END

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