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第12話

「別れは済んだのか?」 とろんとした目で男を見上げ、離れ難そうにしている老執事をぐいっと押し除けるようにして離すと、男はニヤニヤとした笑いを浮かべながらソファから立ち上がった。 「別れ?」 そう言ったきり黙るリュークに 「そうだろ?まさか俺に勝てると、そんな馬鹿げた事は思っていないよな? それともお前は俺に傷一つつけることすらできないって事さえ忘れちまったのか?」 「いや、忘れてはいない。ただ、何でこうなっているのかが分からない。 私は聞きたいだけだ。あなたとブランの関係を。ブランとは一体何者なのかを。それだけなのに、何故ここまであなた達が私の邪魔をするのか、言えない理由が何なのか、それが分からない…私はただブランが何者なのかを知りたいだけなのに…。」 それを聞いた男の顔から笑いが消えた。 「お前には分からなくていい事だ。所詮今ここで私に消される運命。 まぁ、ブランをここに戻してくれたというのは、期待以上の働きだったがな。 ふむ、それへの対価は必要か…よし、ここを自ら出て行くか、私に消されるか選ばせてやる。」 そう言ってどうする?と目でリュークに返事を迫る。 「結局、私の質問に答えてはくれないのですね。だったら私はブランといたい。あなたに傷一つつけられないとしても、それを諦めるような事はしたくない!」 そう言って、リュークは杖先を男に向けた。 「だったらやってみるがいい!ブランを想う気持ちとやらを見せてみろ!」 そう言って男は両腕を広げて立った。 リュークが呪文を唱え、その杖先から男に向かって攻撃魔法を出そうとした瞬間、それがリュークの身に降りかかった。 「うあぁぁぁっ!」 自分の攻撃魔法をまともに受けたリュークが悲鳴をあげながら、その場に崩れ落ちる。 そのリュークのそばに男がゆっくりと向かうと、自分の杖でリュークの背中を突きながら、 「だから言ったろう?その殺意が強ければ強いほど、その身に受ける攻撃も強くなる。最初に言ったはずなんだがな。やっぱり忘れちまってたか?」 そう言って、リュークの体を蹴飛ばして仰向けにする。 「…っ!」 顔が苦痛に歪むリュークのその服の襟を掴んで自分の顔のそばまで持ち上げると、顎を掴んで口づけをした。 「んーーーーーっ!」 リュークが足をばたつかせるが意にも介さず、その口を無理やりこじ開けるようにして舌を押し込む。 しばらくするとリュークのばたつかせていた足が止まり、口がだらんと開いてそこからよだれが床に滴り落ちた。 老執事はその意味するところを知り、2人からただただ目を背けて、ソファに静かに座ったまま、コトが終わるのを待った。

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