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第15話

リュークがブランを抱きしめようと手を伸ばすが、ブランが呻き声を上げて再び両腕で自分のお腹を抱き抱えるようにして立ち止まり、その場にうずくまった。 「くぅっ!」 「ブラン!大丈夫ですか?」 「リューク…下さ…い」 そう言うとブランがリュークの顔に手を伸ばし、その顔を近づけて唇を合わせてきた。 それまでは黙って事の成り行きを見守っていた男が、ぐいっとブランをリュークから引き離した。 「何でこいつの魔力なんか吸い取ってるんだ?!いつもの様に俺がやってやる…もし必要なら俺のを吸え!」 そう言うと、再びブランの服の下からブラン自身を取り出そうと服の中に手を入れた。 それをブランが首を振って嫌がる。 「何をやっているんだ?!」 リュークがその顔を真っ赤にして、男の手からブランを奪い返そうと立ち向かったが、男にまるで虫けらのように叩かれると、ベッドから転げ落ちた。 「リューク!」 それを見たブランの体からゆらぁっと煙が湧き上がり、それを見た男がブランからさっと手を離すと、ぽかんと座っている老執事を抱きかかえてベッドから下りた。 ブランが立ち上がると、男は老執事とともに片膝をつき、頭を下げる。 ブランが二人を何も言わず、じっと見つめた。 その目はあの嵐の日にリュークに見せた、見るモノ全てを震え上がらせるような冷酷な眼差しだった。 「ううぅぅっ!」 男の口から呻き声が漏れる。 老執事が視線を向けると、男の顔が皮膚の中からまるで炎に焼かれているかの様に爛れているのが見えた。 「閣下!」 老執事が青ざめて叫ぶ。 それを聞いたリュークも男の方を見ると、まるで顔から火が出るかの様に真っ赤に爛れた男の顔が目に入った。 老執事がブランの足元に近寄ると 「おやめ下さい!ラーマ様!!」 悲痛な声で叫び、ブランに許しを乞うた。しかしブランはその声が耳に届いていないかの様に全く表情を変える事なく、じっと男を見つめ続けている。 それに気がついたリュークがブランの元に這いずる様にして近付くと、その体をしっかりと抱きしめた。

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