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第18話

4人の間を長い沈黙が流れていく。 朝、リュークが幸せの中で開けたカーテンを、沈みゆく太陽の強い明かりを遮るように、リュークが手を振って静かに閉じた。 隣の部屋の明かりがうっすらと開けた扉から入って来るが、相手の顔もまともに見る事のできないほどの薄暗さに、身代わりが何かを老執事の耳に囁いた。 老執事は頷くと、パチンと指を鳴らして暖炉に火をつけ、燭台がが何台かベッドサイドのの机に置かれていく。 それが終わると身代わりはリュークとブランをゆっくりと眺め、服の中から何かを取り出し、それをぐっと握ると一つ大きく頷きリュークに話し出した。 「俺達はしばらく外に出ている。あの日、お前がラーマの精神をその珠に込めた時、俺の珠の方からもそちらに大部分は移っていったようだが、それでも少しだけここに残っている。これをラーマに返してやってくれ。それでラーマの意識が多分戻るはずだ。後は、ラーマの思い通りにしてやってくれ。」 ほら!と、身代わりはリュークに珠を手渡すと、老執事を伴って部屋から出ていき、その扉をパタンと閉めました。 リュークはその珠をじっと見つめ、一つ頷くと祈るように杖を振り身代わりから受け取った珠を光に変えると、それはすーっとブランの中に吸い込まれていった。 意識が戻るかもしれないと言った身代わりの言葉に期待したものの、しかし何も変化もなく、じーっとブランの様子を見ていたリュークの顔に失望の色が広がりかけた時、 「んぅっ!うぅぅー…」 と、ブランの痛みをこらえる声が耳に入り、ブランの瞼が苦痛のためギュウっとつぶるのが見えた。 「ブラン!ブラン!!」 ブランをゆすりながらその名を呼ぶと、ブランもそれがリュークだと気づいたのか必死に瞼を開こうとします。 「大丈夫、大丈夫です、ブラン。すべてあの方から聞きました。ただ一つだけわからないことがあります。貴方をこの苦痛からどうしたら助け出せるのか…ブラン、私は貴方を助けたい。どうか、教えてください。ブラン!!」 そう言ってぐっとブランを抱きしめたリュークの頬にブランの手が添えられると、ブランの口がリュークの口に合わさります。 そしてもう片方のブランの手がリュークの下半身をそっとさすると、真っ赤な顔になりながら、か細い声で言いました。 「私にあなたを下さい。これで、私にあなたの精を注ぎ込んで下さい。これが私とあの者達との契約なのです。そうすれば私はようやく終われることができる。ただのブランになれる。どうか、リュークのこれを私の中に…リューク、お願い。」 「どういう事ですか⁈契約って何なんですか?終われるって…ブラン、教えてください!」 「あなたがそれをしてくれさえすれば、そうすればわかります。」 「そんな危うそうな事、できるわけがない!」 「いいえ、あなたなら、リュークならできます。」 そう言うとブランの目が怪しく光り出しました。 まるで猫の瞳のように神秘的な眼差しを向けられたリュークが、急に自分の下半身を抱きしめるようにその場に崩れ落ちました。その額からは汗が滴り、顔も体も真っ赤になるほどの熱を持っているのが、その体から出ている熱気で想像がつきます。 「ブ…ラン、何をしたので…すか?」 言っている間にも、まるで獲物に飛びかからんばかりの勢いの身体をなんとか自分の腕によって制し、今すぐにでもその精を放出させろと言わんばかりにズクンズクンと脈打っている自身を、何とか落ち着かせようと深呼吸をしてみますが、その状況は改善されるどころか理性が追いつけない高みに登ろうとしていきます。 「リューク、私の可愛いリューク。あなたが欲しいのはこの私じゃなかったんですか?ほら、私はもうあなたを受け入れる準備はできているんですよ。あなたが欲しくてたまらないって、私の中をあなたの精で満たして欲しいって…ねぇ、リューク…?」 そう言うと、先ほどよりも強くブランの目が怪しく光り、腰を艶かしく振り、リュークの足に絡みついて来ます。 リュークの知っているブランとはあまりに違うそのあり様に、これは真実のブランの姿ではないと理解していながらも、その誘惑に抗いきれずに手を出しそうになっては、先程のブランの言葉を思い出し、このことを聞かなくては絶対に後悔することになるという確信のなかで、リュークは何とかブランの誘惑に打ち勝っていました。

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