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第22話

「私にはあなたしかいないと言ったはずです。寧ろあなたさえいれば、私はこの運命さえも切り開いていけると。」 「リュークの運命?」 「私はあなたの身代わりの身代わりとしてこの城にいます。何をするでもなく、寧ろ何もしてはいけない。ただただ一日を無為に生きていく。私とは一体何なのか?何でここにいるのか?そうやって自問自答しながらも、ただただ生き続けていました。しかしある時、あなたの事を知り、この世界から飛び出した、自分の運命から飛び出したあなたに会えば何か変わるのではないかと思ったのです。それであなたを探し出し、あなたと会い、一緒に過ごしていく内にあなたを愛してしまった。その愛でもって、私は私の人生に意味を持たせることができる、自分の運命を変えることができる、そう確信したのです。」 「リューク…。」 「それなのにあなたと愛し合ったら、あなたはこの世から消え去ってしまうなんて、そんなひどい話ないじゃないですか⁈」 そう言ってぐっとブランを抱きしめるリュークの背中をあやすようにブランが優しくさすります。 「リューク、きっとこれが私達の運命なんです。あなたと出会い、あなたを愛し、そして愛されて消えていく。残した者達は私とあなたの子供でもあるのです。どうか、その者達の為にもこのままこの城で皆を見守り続けてくれませんか?今度は本当の統治の王として。そうすれば私も安心できます。」 「そんな事を言われたら、私はあなたとの子供であるこの世界の者達を守り続けなければならないじゃないですか…あなたはひどい人だ。私をこの世に引き留める方法を知っている。あなたの後を追わせないようにその責任を押し付けるなんて、ひどすぎます。」 リュークはそう言って、再び力強くブランの事を抱きしめました。ブランの手が再びリューク背中に触れようとしたとき、再び強い痛みにブランが襲われました。 「リューク…もう限界です。もう…」 そう言ってブランがその意識を手放しそうになった時、部屋の扉が勢いよく開き身代わりが飛び込んでくるなり叫びました。 「ラーマの心臓をつかみ取れ!早くっ!!」 訳が分からないリュークでしたが、その勢いに押されるようにブランの胸に手を当てるとそのままぐっと腕を体内に押し込み、心臓をつかみ取るとそのまま体から離れないように心臓を持ち上げました。 「ああぁあぁぁああああぁぁっ!!」 ブランの悲鳴が響き、その体から力が抜けてがくんとリュークに寄りかかります。 すると、身代わりがつかつかと二人に歩み寄り、すまんと一言言うと、今度はリュークの体内に自分の腕をぐっと押し入れ、リュークの心臓をつかみ取りました。 「うぁぁぁあぁああぁぁぁっ!!」 今度はリュークの叫び声が部屋中に響き渡ります。 「ラーマ、リューク、お前らが幸せになるためだ。もう少し我慢しろ!」 そう言うと身代わりは、すぐそばまで来ていた老執事に向かって杖を振ると、その姿は老人から青年へと変わりました。 「こちらの方が動きやすいだろう。さっさと始めるぞ。」 身代わりがリュークからブランの心臓をつかみ取り執事に合図を出すと、執事はその手にナイフを持ちすっと鮮やかに二つの心臓を半分に切り分けました。 身代わりが詠唱の後に杖を振ると4つにわかれた心臓が浮かび上がり、リュークの右側とブランの左側、ブランの右側とリュークの左側の心臓がくっつき、そのまま二人の体内に吸い込まれていきました。 それを見た、身代わりと執事はほっとため息をつき、まだ息の荒いままで重なり合うように横たわっている二人を静かに見守り続けました。

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