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第23話

「うぅ…一体、何を?」 何とか目を開き、上半身を執事に助けられながら起こしたリュークが身代わりに尋ねた。 「おまえとラーマを言葉通り、一心同体のものにした。互いに互いの魔力を分け与え、それが尽きた時、死を共にする。ラーマを死なせないために最後の手段として残しておいた術だ。おまえとさせるつもりはなかったが、ラーマの気持ちを考えれば仕方がない。ただし、俺ができるのはここまでだ。ラーマの体に起きている魔力の事については2人で何とかしろ。その後の、この国を守っていく事は身代わりの俺でもできる。今までもやってきた事だしな。それと色々終わったら、そこの紙っキレの後ろに静かな湖のそばにある森への行き方が書いてある。ラーマが好きそうな所だ。気が向いたら行ってみたらいい。2人で好きなようにその時までを過ごしたらいい。ただし何があってもお前がラーマから離れる事だけは許さない。魔力を分け与えるとは言ってもこれからはラーマの方がお前の魔力に依存する事になるだろう。お前が離れれば、ラーマはその時点で悲しみと共にこの世から消え去るだろう。それは絶対にあってはならない事だ。この世界の王として、お前を地の果てまでも追いかけ、死んだ方がマシだと思うような目に、半永久的にあわせてやる。いいな。」 そう言ってリュークの胸を小突こうとした身代わりの頬がパチンと鳴った。 「何をっ…ラーマ⁉」 身代わりの視線の先にお腹を押さえた状態で荒い息をつきながらなんとかブランが立っていた。しかしブランの体がぐらッと揺れ、ベッドに倒れ込みそうになるところをリュークが何とか手を伸ばして支えた。 「あなたは…何を勝手に…っ!」 リュークの腕の中から立ち上がろうとしながら、ブランが身代わりを叱責した。 そんなブランをリュークがしっかりと自分の腕の中に抱き寄せると、身代わりに部屋から出ていくように目で合図を出した。 身代わりはそれに分かったというように軽く頷くと、執事を伴って再び部屋から出て行った。 「待ちなさい!私の話は終わっていません!リューク、離して下さいっ!!」 身代わりを追いかけようとリュークの腕の中でばたついているブランの顎にリュークが手をかけると、そのまま自分の方に向かせて唇を合わせた。 「んん…-クぅ…ん。」 ブランがその唇を離そうとリュークの胸を両腕で突き放そうとするが、それをリュークはブランの腕を折りたたむように無理やりぐっと抱きしめ、その唇を貪るようにキスをした。 そのままゆっくりとブランの体をベッドに横たえると、静かに唇を離してブランをじっと見つめた。 リュークの熱のこもった眼差しにブランの顔が紅潮し、その眼差しから逃れようと顔を横に向けた、 「ブラン、逃げないで下さい。」 そう言ってリュークが顎に手をかけてブランの顔を自分の方に向けさせると、再びその唇に自分の唇を合わせた。 「んん…ん。」 ブランの口から洩れる甘い声にリュークは体が熱くなっていくのを感じた。 「ブラン、私の熱を感じて下さっていますか?」 リュークの言葉とその熱にブランの体も反応したのか、熱の塊となっていくブランをリュークは腕の中で感じていた。

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