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8.エクスカリバー×ナイフ

ファーストキスは、寄りにもよって想い人の『お兄様』に奪われた。 (な、なんで、こうなるの) 僕は独りごちる。現在の状態ではそうするしかないからだ。 ちなみに今、ベッドにて全裸待機中。 ……あれから呆然とした僕を抱えるようにして、船内の一室に閉じ込めた彼。 抵抗する隙すら与えられず、服を脱がされてベッドに転がされる僕。 「さて……今夜が初夜な訳だが」 (しょ、初夜って、アレをアレして……ひぃぃ!) 絶対無理だ! 鼻歌歌いながら裸になったライアンのソコは、短剣レベルじゃない。 エクスカリバーだ! あれこそ聖剣エクスカリバー。僕なんかそれに比べたらサバイバルナイフ……すいません……見栄はりました……折りたたみナイフです。 「大丈夫。優しくするぜ」 (む、む、無理ぃぃっ!) 泣き出しそうな顔で首を振れば、彼はうっそりと微笑んで『可愛い人』と囁いた。 (うわぁぁぁぁん! ルイーズのそれと意味違うぅぅっ) ―――それから宥めるような口付けを数回。 段々深くなるそれに、いくら僕でも頭がボーッとなって鼓動が早まってくる。 「ぅ……ん、ぁ……ふッ……んぁァ……」 ぴちゃぴちゃという音がなんだかすごくいやらしい。 彼の舌が這い回って、歯列をなぞったり奥に縮こまった僕の舌を絡めとるように舐めまわしたり。 上顎辺りをなぞられて、ふいにゾクゾクっと背中が震えた。 それから、この唇を合わせて舐め合うだけの行為がどんどん気持ち良くなっていく。 「っ……ふ、ぁ……っハァ……ァ」 「キス、気持ちよかったか?」 思考力をすっかり奪われた僕は、己の唇をペロリと舐めてから問う彼の言葉に力なく頷いた。 (なんか、身体に力が入んない) 特に腰あたりがムズムズしておかしい。 あの部分、アレが……なんか、アレ……え? (か、固く、ない? あと腫れて……え、な、に、これ) 「ふっ……初めてか、勃っちまうのは」 形も大きさと変わってしまったソコを、慄くように見つめる僕に彼は笑いかける。 (た、勃つ?) たしかに重力に抵抗してる感じはするけれど。え、これ自立した感じ!? 固く腫れてるのは……っあ! 思わず手が先端に当たって叫び出しそうになる。 なんなんだコレ……人間の身体怖い。 「怖がらなくていい。俺がゆっくり可愛がってやる」 (そ、その表情は、思い切り苛める顔なんですけど……) にじり寄り迫ってきた腕に捕まる。 僕は震えながら彼のする事を見守る事しか出来なかった。 ■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪ 「ぅ……ぁ、あっ……っ……ん……っ」 何故だろう。徐々に声が出るようになってきたのは。 ―――そんな事を考える余裕があったのはほんの数十前。 僕の足を割り開いてその間にうずくまった彼が始めた行動に、僕は悲鳴を上げて逃げ出そうとした。 (な、な、なんてことを…… ) 突然、僕の短剣(エクスカリバー)を口に含み始めた! だってソコって到底舐め回すことを想定するデザインというか……その、グロテスクだろ? よく舐められるなって。 さらに信じられないのが、そんな変態的行為で僕の腰がムズムズして我慢できない位に揺れてしまう。 今まで感じたことのない感覚に、戸惑うと共に混乱して身をよじった。 「な……気持ちいいだろ」 荒い息と勝手に漏れてくる声。すごく恥ずかしくて仕方がない。 そんな僕を見て、彼は口から性器を離して笑って見せた。 (も、やめ……なんか……変だよ) 声は出ても言葉にならない。 拒否だって、首を必死で振っても取り合ってもらえず再び口に含まれて舌で舐め回される。 (やだっ……そんな、僕の、ソコ、キャンディじゃないのにぃぃっ……!) 怖い。怖いのに気持ちいい。なんか溶けちゃいそう。いや……溶けちゃ困るのに。 ベッドのシーツにすがりつくように掴みなが、込み上げてくるナニカを必死で耐えようとした。 (ぁあっ……なんか、なんか、おかしいぃっ、なんか出ちゃ……漏れ、ちゃ、ぅぅッ……) 「っっ!!」 「ンっ……ん」 弾けたような感覚の後に、急に襲ってきた脱力感。 すっかりふにゃふにゃに戻ったソコを、しつこく吸い上げて舐めつくそうとする彼の舌から逃げる事も出来ない。 「うむ……初めてか。なかなか美味だった」 (やっぱりこの人、変態だ) ペロリと紅い舌が唇を舐める仕草が、妖しくてまた鼓動が跳ね上がる。 「今度こそ。俺の『短剣』受け入れてもらおうか」 ―――ギシリ、とやけに大きな音でベッドが軋んだ。

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