「なんでって……分かってるだろ。お前が―――って、言うからっ」 「俺？　何か言ったっけ？」 「やぁっ」 「それとも、母乳出るまで揉む？」 　コリコリと乳首を捏ねられる。 　乳輪ごと摘まみ直され、優しく交互に揉みしだかれれば、もう快感しか感じられなくて開いたままの綾人の口から、涎が溢れてシャツに落ちた。 「出ない……からぁ」 「そうかな」 「ひゃっ！　止めっ……イくっ、イッちゃ……」 　乳首への刺激に連動するようにズボンの中のペニスが脈打つ。 　だけど、もう少しで達けそうなのに、直接触って貰えないから射精するには足りなかった。 「はっ、ああっ、イケな……」 「ほら、言えよ」 　ジュッと音を立て乳首を吸われ、そのまま甘噛みされれしまえば、綾人の中に僅かに残された理性の箍(たが)も外れてしまい……。 「だって……智がっ…せめて、乳首があればって……言うからっ」 「だから、こんな事したのか？」 　唇を離し声を掛けると、何度も頷く綾人の姿に智は薄い笑みを浮かべる。 　最初見た時は驚いたけれど、理由なんて尋ねなくても、彼の言う通り分かっていた。 「綾人は、俺の為に、陥没乳首を直そうとしたの？」 「はっ、あぁっ」 　皮は捲れて血は滲み、可哀想としか言いようのない乳首の先端に舌を這わせ優しく問うと、虚ろになった大きな目から涙がボロボロ零れ出る。 「そんなに俺の事、好き？」 「す……好きっ」 「やべ……可愛い」 　ちょっとからかうだけのつもりが、とうとうここまで来てしまったかと智は心で呟きながら乳首の糸へと指を伸ばした。 「あっ、あうぅ！！」 　そのまま顔を近付けて、爪で摘まんだ糸を両方犬歯を使って噛み切ってやる。 「ああ、折角綾人が頑張ったのに、引っ込んじゃいそうだ」 「やっ、あぁッ……ん」 　親指と中指を遣い乳輪を絞り乳首をくびり出しながら、先端を人差指で何度も弾くと、甘えたような綾人の声が心地よく耳に響いて来る。 「いつも外気に触れてないからこんなに敏感なのか？　それとも……ただ綾人が淫乱なだけ？」 「あッ……あついっ、イくっ……イッちゃう！」 　最早まともな思考力など少しも残ってないのだろう。 　乳首しか弄って無いのに、ここまで乱れてしまった綾人が可愛くて仕方ない。 「ちょっと……強すぎたか」 　残業時間彼に手渡したコーヒーの中に、媚薬を仕込んでいたのだが……まさかこんなに効果があるとは思ってもみなかった。 「いいよ、イケよ。但し……変態らしく乳首だけでな」 「む……むりっ、イケなっ」 「手伝ってやるよ」 　振り悶えている綾人の右の乳首を摘まんだ状態のまま、左手でポケットにあるローターをそっと取り出す。 「ひっ、やだ……それ……」 「煩い」 「あっ……アァッ、アウゥッ！！」 　身体を捩って逃げようとする綾人に冷たく言い放ち、乳輪を強く捻り上げながらローターをそこに押し付け一気にスイッチを強にした。