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「いやらしー痕だらけ。人に見られたら大変だ」
「誰の所為 だと……」
「俺だけど、何か文句ある?」
「んっ……くぅっ」
左の胸の乳輪の下を強く吸われて唇を噛むと、アンダーシャツの裾が口許へと運ばれ「噛め」と命令された。
「昨日あんなに吸い出したのに、もう引っ込んじゃった。こっちはまだ腫れてるのに」
「ぁうぅっ」
ぽってりと腫れた乳輪を摘まれ、そのままカプリと甘噛みされて、そこから生まれる強い刺激に綾人は身体を震わせる。
綾人の乳首は陥没していて、それを智に馬鹿にされてから、どうにか直す努力をしたが、どれも徒労に終わっていた。
しかも、間の悪い事に自らの乳首を紐で縛っているところを見られしまい、それからというもの彼は貧相な綾人の胸にあり得ないくらい執着している。
多分、変わった玩具感覚だろうが、標的にされた綾人にとっては正直堪ったものでは無かった。
好きな相手に、気持ちは全く受け入れてなど貰えないのに、快楽ばかりを注ぎ込まれては、頭がおかしくなりそうだ。
「んっ……んぅっ」
わざとジュッと音を立てながら、智は綾人の乳首を吸う。一回だけでは出てこない事は既に知っているのだろう……チュクチュクとそこを何度も吸われ、そこから生まれる甘い疼きに、無意識の内、綾人の腰は強請るようにゆらゆら揺れた。
「う……うっ……んぐっ!」
そして、ほどなく出て来た小さな尖りに犬歯をギリリと立てられれば……堪らなくなった綾人は智の肩に爪を立て、まるで「もっと」と言うかのように、膨らみの無い胸を突き出す。
日々受けている調教のせいで、綾人の乳首は確実に、性感帯へと変化していた。
「んっ……ん、あうっ!」
そのまま……限界まで乳首を引かれ、痛みと愉悦に綾人が喘ぐと、「落としたらダメだろ」と、囁いた智が再度、アンダーシャツの裾を口内へとグイッと捻じ込んでくる。
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