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「あ、また引っ込んじゃいそう」
「ふっ……んんぅっ」
楽しげな声に視線を落とすと、彼の放った言葉通り、乳輪の中へ小さな尖りが入り込もうとしていたから、思わず綾人は指を伸ばして左の乳首を自ら引いた。
「んっ……くぅっ」
えもいわれぬ快感に、身体がビクビク打ち震える。
「こっちも、そろそろキツいんじゃないの?」
「やっ……あぁっ」
布越しに股間を撫でられ、もどかしさにまた喘いだ綾人は腰を揺らして快楽を追うが、それ以上の刺激は与えられず、智は綾人の身体を持ち上げ床の上へと降ろしてしまった。
「残念だけど、タイムオーバーみたいだ。昼休み、終わっちゃう」
少し乱れた着衣を直し、椅子から立った智は綾人の左手首をガシリと掴み、尖りから指を外してしまう。
「や……やだぁ」
途端に中へと入ってしまった乳首を見つめて綾人が言うと、「我儘言わない」と微笑みながら、屈んだ智がシャツのボタンを留めようとして指を伸ばした。
「やっ……ダメ!」
反射的に手を振り払い、綾人は身体を小さく丸める。
そのまま……再度両手を乳輪に伸ばしそこをゆるゆる揉み続ければ、抗いようのない快楽に頭の中が真っ白になり、まるで痙攣したかのように細い身体がカクカク揺れた。
「ホント綾人は淫乱だな。俺は仕事に戻るけど……このままココに置いてっていい?」
困ったようにそう言い捨てて智が椅子から立ち上がると、ゆっくりと顔を上げた綾人が「待って」と掠れた声を出す。
「ん?」
「おねがっ……外してっ」
「外すって何を?」
言いたい事は分かっているが、わざと意地悪な言葉を返すと、泣きそうに目を潤ませた綾人が、乳輪を揉む指は離さないままそこへ仰向けに横たわった。
「もう仕事始まるから、言わないなら行くよ」
「やっ……いかな…で、ここ、苦しい…痛いからっ」
腰を浮かせて訴える姿は流石に欲情を煽るが……そんな曖昧な答え方では満足なんてできやしない。
「ここってどこ? 俺、頭悪いから分からないや」
「あっ……やっ…ていそ…たい……付けた…だろ!」
嫌々と頭を振って腰を拙く動かしながら、それでも胸を弄ぶ指は止めずに喘ぐ綾人の姿に、えもいわれぬ征服感を心の中で味わいながら、智は彼の股間を軽く爪先で突っついた。
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