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13. もっと(R18)

璃玖の流した涙は優しく寄せられた一樹の唇により啜られた。 その優しい仕草とはまるで真逆に、一樹の噛みつくような口づけは角度を変え深く何度も行われ、ただ唇を重ねているだけだというのに、璃玖はまるで頭が麻痺したかのようにボーッとしてしまう。 「ふぁ・・・っ」 だが、璃玖は離れないよう一樹の首に回した腕に力をこめて必死にしがみつく。 次第に一樹は璃玖の唇を甘く噛んだり、唇の形をなぞるように舐めると、璃玖は反射的に口を少し開けてしまう。 そのタイミングを待っていたかのように、一樹は璃玖の口内に舌を潜り込ませる。 「んっ…」 一樹の舌は璃玖の小さい舌を見つけ、形をたしかめるようにゆっくり舌を絡めていく。 そして舌を絡めるだけでなく、歯の裏側に舌を這わされたり、口内の天井を刺激されると、スタジオで感じたあの背筋に走る電流のような感覚が呼び起され、璃玖はこれが気持ちがいいという感覚だと認識をする。 「…んっ…ぁ」 唇は抑えられていても、時折漏れ出す自分の吐息が、スタジオとは違いバスルームではよく響き、璃玖は次第に羞恥心に襲われる。 「一樹…声…恥ずかしい」 「いいよ。俺が聞きたい…」 そう言って一樹は唇を離すことをやめてはくれない。 「あっ…ここ、響くから…やだ…」 璃玖は息も絶え絶えに、一樹が口を離す合間に伝えると「じゃあ、こうすればいい?」と、一樹は壁に備え付けられたパネルで温度を調節して、シャワーハンドルをひねる。 すると、シャワーから勢いよく出てきた水音が床に跳ね、まるで外の雨音のようにバスルーム内に響き音がかき消される。 一樹はシャワーの温度がお湯に変わったことを確認して、一番高い場所のシャワーフックにシャワーヘッドをかける。 「なぁ、このまま脱がせていい?」 「ひゃ!」 一樹は璃玖の耳に舌を入れ刺激しながら、びしょ濡れの一樹と抱き合っていたために濡れてしまった璃玖のTシャツの裾から手を入れ、脇腹を撫でる。 「かわいい…璃玖。今どっちに感じたの?こっち?それとも…」 一樹はもう一度璃玖の耳をねっとりと舐めあげた後、今度は濡れて肌に張り付いているTシャツをめくりあげていくように、脇腹から腹筋へとゆっくりと徐々に手のひらを移動させていく。 だが、璃玖は一樹の手を懸命に制止する。 「ま、待って…。僕、おかしいんだ。その…止まらないんだ…」 「止まらない?」 「その…どんどん気持ちいいことしたいって思って…。自分が自分じゃなくなるみたいで…。その…はしたないんだ」 「はしたないって…。いいじゃん、俺で気持ちよくなってよ。だいたい、俺だってもっと璃玖のこと気持ちよくしたいって思って止まらないんだけど、それっておかしい?」 「それは…。でも…僕だけは…嫌だ」 「それなら俺も一緒に気持ちよくして…。ほら、とりあえず俺の服、脱がせて」 一樹は璃玖の手をとり、自分のシャツのボタンに璃玖の手を持っていく。 璃玖は心臓がドキドキして手が震えそうになりながらも、一つ一つ、一樹のシャツのボタンを外していく。 ボタンをすべて外し終えると、シャツの下に着ている長袖のTシャツは璃玖以上に濡れていて、体にピタッと貼りついており、体のラインが浮き出ていることに気がつく。 璃玖はそのまま息を飲み込み、服の上から一樹の腹筋に触れる。 (さすが、筋肉がきれいについている) そこから一樹と同じように徐々に手を上に移動させ、そのままTシャツに浮き上がった一樹の乳首に指を這わせる。 すると一樹が「んっ…」と自分と同じように吐息を漏らしたことが、なんとも言えない喜びを璃玖は感じ、 もう一度同じ箇所に触れようとするが、その手は一樹によって静止させられてしまう。 「待った、それ以上はだめ」 「なんで?僕も一樹に触りたい」 「とりあえず俺に触らせて。先週怖がらせたから、璃玖を気持ちよくしたいし…。璃玖がもっとって言うところ早く見てみたい」 いつきはそう言って、安心させるように璃玖の顔に口づけを何回も落としつつ、璃玖の服を器用に脱がせていく。 最後には下着だけになってしまい、一樹は躊躇なく脱がそうとするが、璃玖はその手を阻止する。 「待って!やっぱり恥ずかしい」 「うーん…じゃあ、顔見ないから。璃玖は後ろ向いて、そこに手ついて」 「う、うん」 璃玖は言われた通りに湯気で曇った姿の見えない鏡に手をつき、一樹に背を向ける態勢になる。 一樹も自分の服を脱ぎ捨て、下着一枚になり、璃玖のお腹に手をまわし、後ろから抱きしめる。 すると璃玖のお尻の割れ目に一樹の硬いものがあたる。 (一樹も勃っているんだ…) 璃玖は自分だけではないことに安心する。 「なぁ、触っていい…?」 一樹は、下着の上からでも形がはっきりわかる状態の璃玖のものにそっと手を添える。 璃玖は我慢できずに首を縦に懸命にふる。 その反応に安堵したのか、一樹は璃玖を怖がらせないようにゆっくりと下着の中に手をいれ、屹立したものに指を絡める。 「あっ…!」 自分の手ではない、まして自分以外に触られたこともない場所は、こんなにも感触が違うものかと驚くくらい、絡みつく指の形がはっきりとわかった。 「ごめん、痛かった…?」 「違う…んだ。その、人に触られるの初めてだから…変な感じで」 「じゃあ、自分では触ったことあるんだ…」 「それは…」 とっさに「ある」と正直に答えてしまいそうになり、璃玖は耳まで顔を赤くする。 「可愛い、璃玖。もしかして、先週もあの後自分でした?」 一樹は璃玖の耳の後ろを舐めながら耳元で囁く。 言い当てられ、トイレでの出来事を思い出した璃玖はさらに顔を赤くする。 「ふーん、図星か。じゃあ、今度、見せてよ」 「何を?」といいかけたところで、今度は握るだけでなく、璃玖の屹立したものをゆっくりと上下に動かされる。 「あっ、いやぁ…待って…」 あまりの刺激に逃げ出しそうになる璃玖を、一樹は腰に回した腕に力を籠め逃がさないにしながらも、 安心させるようにうなじに啄むようなキスを落とす。 「大丈夫、ゆっくり触るから…璃玖は俺に触られているってことだけに集中して」 一樹はそう言って、シャワーヘッドの角度を変えて鏡にお湯がかかるようにする。 すると先程まで曇って隠れていた鏡に璃玖のあられもない姿が映し出される。 顔は熱をもって紅潮し、目尻からは快楽で涙が浮かび、口元はだらしなく開いたままで、璃玖は映し出されたあまりの醜態に目を背ける。 「やだ、これ…恥ずかしい」 「いいから。ほら俺の顔を見て…」 そう言われた璃玖は一樹に顎を掴まれ、肩越しに鏡に映った一樹と目があう。 (これは、先週と同じ…) ただ、違うのは映し出された一樹の目はあの時とは違い、璃玖自身をしっかり見ているとことだった。 「あっ…いつ…き…」 璃玖はまるでなにかのスイッチが入ったかのように、鏡ごしに目があった一樹から目を離すことが出来ず、 同時に一樹の手の動きに集中する。 すると璃玖の腰に回されていた手が、璃玖の乳首に移動し、指先でくるりと回転させられる。 「んっ、そこ…」 「気持ちいいだろ。だって乳首触ると、璃玖のココ、ビクってする」 そう言って一樹は、乳首を指先で擦るように触りながら、同じように璃玖の屹立したものの先端に指を這わせる。 「イヤっ、あっ…もっと…」 「やっと言ったな。こっち?それともここ?俺にどうして欲しいの?」 一樹は璃玖の乳首と屹立したものを先ほどより強い力で触れる。 「あっ、あっ…。ヌルヌルにして…もっと先っぽ触って…」 「可愛い…璃玖。ちょっと待ってて…これかな?」 一樹はボディーソープを手のひらにとり、軽く泡立たせると、そのままの手で璃玖の屹立したものを握り、全体の滑りをよくさせる。 その滑りを利用して片手は全体を上下させ、反対の手で先っぽから首にかけて重点的になぞるように指を這わせる。 「はぁっ…ダメ…それ、無理…」 あまりの快感に璃玖は足がガクガクしてきて立っていられなくなってしまう。 「璃玖、こっち」 一樹は自分の下着を脱ぎ、バスタブの淵に座った。 璃玖の手を引き、向かい合わせになるように一樹は自分の膝の上に璃玖を座らせる。 必然的にお互いの屹立したものが顔を合わせる形となるが、ボディーソープで滑りをよくした璃玖のものが一樹のものに触れると、まるで逃げるかのように滑り、璃玖にもどかしい快楽を与える。 一度覚えてしまった快楽に璃玖は後戻りすることも出来ず、璃玖は一樹の肩に手を置き、夢中で一樹の屹立したものに、自身を擦りつけるように腰を動かす。 その、あまりに煽情的な様子に一樹は興奮しながらも、璃玖を怖がらせないように、璃玖の頭を撫でながら見守る。 「璃玖…気持ちいい…?」 「気持ちいい…でも…もっと…、もっと気持ちよくして」 璃玖はおねだりするように今度は一樹の首に手をまわす。 「あー、もう。ほんと可愛い。ヒートなんかじゃなくても飛びそう」 一樹はそう言って璃玖の腰を掴みもっと自分に近づかせ、そのまま自分の大きく屹立したものと一緒に握り、上下に動かす。 「あっ、あっ、だめ…」 璃玖はあまりの気持ちよさに声を我慢することも出来ず、上を見ながら喘ぎ続ける。 「あんっ、あっ…あぁ!」 音はほとんどシャワーの音にかき消されているが、 それでもピチャピチャという卑猥な水音と璃玖の喘ぎが一樹の耳にもこだまする。 「璃玖、こっち向いて舌出して」 璃玖は言われた通り、一樹に顔を向け舌を出す。 待っていたかのように、すぐに璃玖の口は塞がれて、出された舌は一樹に甘噛みされたり、 激しく吸われたりされる。 璃玖はもう何も考えられず、一樹に与えられる快楽だけに集中する。 「はぁ・・・っ、あっ、あっ、もう…」 「璃玖、イキそう?すっごい脈打っている…」 「もうっ…ダメ…イっちゃう…だから…」 璃玖は必死に何度も頷くきながら「もっとして」と一樹に懇願する。 「璃玖…!璃玖…!俺もイきそう。一緒にイこう…」 そう言って、一樹は屹立を握った手の動きを早め、あいた手で璃玖の乳首をつねるようにいじりながら、舌を絡めとるようなキスをする。 「んーっっ!!」 璃玖はあまりの快楽に耐えられずそのまますぐに果て、一樹も後を追うように達した。 自分で触ってイッた時とは比べものにはならないあまりの快感に、璃玖はそのまま意識を失った。

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