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40.足…開いて(R18)
「璃玖…。俺の前で四つん這いになって」
「四つん這いって?…どうしてそんな…」
璃玖は一樹の要求の意図が分からず戸惑ってしまうが「いいから…」と言葉を遮られてしまう。
「…。わかったよ…」
それで一樹を安心させられるならと、璃玖は組み敷かれていた一樹の下から抜け出した。
靴を履いたままだったことに気づき、靴を脱ごうとするが、脱ぐのに戸惑ってしまう。
それは、璃玖の手の指先が、少し震えていたためだった。
一樹の視線の冷たさのせいか、それともこれから行われることへの不安からなのか、どちらにしても、璃玖はその震えを押し殺すしかなかった。
やっとの思いで靴を脱ぎ終えると、ベットの下に揃えて並べ、璃玖は覚悟を決めるように、軽く深呼吸をした。
そして、一樹に言われた通り、ゆっくりとベットの上で四つん這いになった。
だが、四つん這いになったものの、一樹の目的が分からないため、璃玖はどうしたらいいかわからず一樹に尋ねる。
「…これで…いい?」
「ダメ。そんなこと璃玖だってわかっているだろ?ほら、下も全部脱いで」
璃玖は一樹の指示に従うため、黙って自分のベルトに手を伸ばした。
しかし、ベルトの金具に手をかけるが、靴を脱ぐ時より指先が震えてしまっていて、上手く外すことが出来なかった。
「俺が外してあげる」
一樹は璃玖の手からベルトの留め金を優しく奪い取る。
静まり返った部屋にベルトを外す金属音が響き、璃玖はこれから始まるであろうことへの不安と羞恥心を抑えるため、下唇を強く噛み締めた。
ベルトが外れると、一樹は下着と一緒に璃玖のズボンを脱がせ、ベットの隅に投げ捨てた。
すると、一樹は黙ってベットから立ち上がり、壁に備え付けられていた照明のスイッチに向かった。
スイッチが押され部屋が明るくなると、璃玖は下半身裸の自分の姿が明るい場所に露わにされ、一気に恥ずかしくなってしまう。
「やだよ…一樹。電気消して…」
「やだ」
璃玖の要求はすぐに却下され、一樹も靴を脱ぎ捨て、ベットに戻ってきた。
だが、ベットに戻ってきた一樹は璃玖に触れることもなく、四つん這いの璃玖から少し離れたところに座った。
そして、一言も喋らず黙ったまま時間が過ぎていった。
(一樹…)
璃玖は、一樹の突き刺さすような視線を感じとりながらも、ただ待つことしか出来なかった。
だが、次第に辱めのような自分の姿に璃玖は耐えられなくなり、腰を下げ始めてしまう。
「ダメ、璃玖。ほら…自分でもっとお尻突き出して」
一樹の言葉に、拳を強く握りしめた璃玖は、目を閉じることで羞恥心に耐えながら、言われた通りに腰を上げ直した。
すると、一樹はそんな璃玖に近づき、璃玖の肩甲骨の辺りを手で押した。
一樹の押す力に従うようにすると、璃玖は上半身だけを下げ、顔をベットに押し付けるような形になった。
そうなると、必然的にお尻だけが一樹に向けて、より高く突き出すような姿になった。
「ほら、璃玖。そのまま、足…開いて」
「やだよ…なんで、こんな格好…」
璃玖は今にも泣きそうな声で一樹に訴えかける。
「早く…。じゃないと、璃玖のこと信じられなくなる…」
(一樹…)
一樹の切なさに満ちた声に、璃玖は逆らうことも出来ず、近くにあった枕を引き寄せ、顔を埋めた。
そうすることによって、逃げ出したい気持ちと羞恥心を我慢しながら、璃玖は一樹に言われた通り、おずおずと足を肩幅ほどに開いた。
開かれた足の間に一樹は座ると、璃玖の足の付け根や太もも辺りを触り、何かを探すような素振りを始めた。
「ないな…」
璃玖は何を探しているか聞こうとするが、急にお尻の割れ目を無理やり開かれた感覚に襲われ、慌てふためく。
「な、なにしているの?!」
何をされているのか確認するため、急いで振り向こうとするが、いつのまにか一樹によってがっしりと腰が掴まれていた。
そのため、枕に顔を埋めていた璃玖は、振り返ることが出来ず、腰を動かして抵抗することも出来なかった。
「やだっ!やだってば!!そんなとこ見ないで!」
「動くなって!ここもチェックしないと…」
「やだ…。お願いだから…一樹…やめてってば…」
璃玖は泣きそうな声で哀願するも、一樹は聞こえていないかのように無視して、今度は割れ目の奥に隠された蕾を、指で撫であげるようにそっと触れた。
「ひゃあっ…!」
璃玖はなんともいえない感覚に、初めて出すような声が出てしまう。
「やめてよ一樹っ!」
必死に璃玖は訴えかけるが、一樹は璃玖の蕾の襞をまるで診察するかのように、指の腹で何度も擦った。
「大丈夫みたいだな…」
何かに納得した様子で、一樹は璃玖の蕾から指先を離した。
「なんでそんなとこ…あっ…!」
指先が離れ安心していたところに、今度は先ほどとは違う湿った生暖かい感触を蕾に感じた。
それがまさか一樹の舌だとは予想もしていなかったため、舌先で襞に沿うように舐められるまで、璃玖は状況が理解出来なかった。
「ダメっ…!そんなとこ舐めないで!」
「ここ、誰かに触らせた?」
「何言って…。そんなこと誰にもされてない…。ねぇ、お願いだから許して…」
「許してってことは…俺に何か後ろめたいことあるの?」
「そんなことは…」
ないと言い切ろうとするが、一樹との約束を破って聖の曲作りをしていることが頭を過ぎり、言葉に詰まってしまう。
そのことを一樹に話さず、交換条件で聖から学ぼうとしていることが、璃玖には一樹に対して後ろめたいことだった。
押し黙ってしまった璃玖の様子に、一樹は舌打ちをする。
「くっそ…。もういい、璃玖黙って…。あと…今逃げたら…俺は伊織を選ぶからな」
その言葉に、璃玖は弁解することも抵抗することも出来ず、そのまま一樹に従うしか出来なかった。
璃玖が抵抗しないことがわかると、一樹は璃玖の蕾を舌先でノックするように刺激し、何度も上下に往復して、執拗に舐め始めた。
「んっ…あっ…」
今日初めて知った感覚に璃玖は戸惑ったが、くすぐったいの奥に感じる一樹に与えられる甘い疼きに、次第に夢中になっていった。
「璃玖、感じてる?ほら、恥ずかしいことされて勃ってるよ」
腰を掴んでいた一樹の手は、いつのまにか璃玖の屹立したものに向かっていた。
そこはもうしっかりと立ち上がり、先走りで先端が濡れてしまっていた。
そのまま、一樹の指先が先端に這わされると、ピチャっと甘美な音をさせた。
「あっ…!ダメ…そこ触っちゃ…」
「璃玖はほんと感じやすいよな…。俺以外に触られてもこうなっちゃうの?」
「そんな…わけ…これは…」
(一樹だから…)
そう続けようとするが、一樹の指先で敏感な先端から根元までなぞるように擦られると「ふぁっ…」と吐息混じりの裏返った声が璃玖は漏れてしまう。
「ねぇ…?俺以外に『もっと』って言った?」
口調は優しいままだったが、一樹の手は痛いくらい乱暴に、璃玖の屹立したものを強く握りしめた。
握りつぶされるのではないかという恐怖を感じつつも、今まで知らなかった強い刺激に、璃玖はさらに感じてしまう。
「やだっ…痛くしないで…」
「嘘つき…。痛くても感じているくせに…」
「お願い…。お願いだから…一樹…優しく…して」
璃玖は枕を抱きしめていた手を離し、腰に回されていた一樹の手に添えるように触れる。
だが、その手はすぐに一樹に振り払われてしまう。
「いつ…き…」
「黙って…」
一樹は璃玖の屹立したものを、手のひらで握りしめて上下に動かし始める。
そして、璃玖を振り払った手を服の裾から滑らせ胸の突起に辿り着くと、指先で転がすように撫でた。
「あっ…そこ…だめ…」
「イイの間違いだろ」
そう言って一樹は、まるで璃玖に感触を実感させるように、璃玖の屹立したものを先ほどよりゆっくりと上下に動かし、同じような速度で胸の突起を指先で転がした。
「やだっ…そんな…一緒に触ったら…。だめ…んっ…あっ…」
「なぁ、璃玖。今日の服や髪はなに?聖さんのために自分で準備したの?」
「これ…は隼人さんが…」
「へぇ…。アイツ、璃玖と一緒に風呂入って、好きなように弄ったって言ってたぞ。そのおかげか?」
一樹は笑い交じりに言うと、璃玖の胸の突起をつねるようにつまんだ。
「んーっ!」
その強い刺激は、イクときに近い、まるで電気が頭の先から足の指先まで走るような感覚だった。
そのため、一樹の言葉を否定しなければとわかってはいたが、璃玖は頭が真っ白になってしまった。
「璃玖…。璃玖…」
一樹は璃玖の名前を何度も呼びながら、服をめくり、璃玖の蕾から脇腹、背骨、肩甲骨、首元、そして耳へと舌を這わせていく。
最終的に一樹は四つん這いの璃玖に覆いかぶさる形になり、右手で璃玖の屹立したもの、左手で胸の突起、そして璃玖の耳を口に含むようにして舐めながら同時に刺激した。
「だ、だめ…。そんな…出ちゃう…」
「出せよ…」
一樹は追い立てるように、両方の手の動きを一気に速めた。
「もうだめ…あっ、あーっ!」
璃玖は一際高い声で喘ぐと、一樹の手の中に勢いよく、欲望を吐き出した。
そのまま息も絶え絶えな璃玖は、膝の力が抜け、横になる形で倒れ込んだ。
息を整えながら、なんとか一樹の方に顔を向けると、一樹は手のひらに吐き出された璃玖の白い欲望を見つめていた。
それはまるで、観察するような目だった。
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