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第21話

ガラッと風呂場の扉が開き、あろう事か全裸の純が入ってきた。 驚いて湯船の中で雪人は立ち上がってしまった。 「男同志だし一緒に入ってもいいよね」 さらりと言い放つ純に雪人は言い返せない。 このまま一緒に湯船に浸かるだけなのか… …それとも…。 立ったままの雪人はそのままに、純はさっさと頭や体を洗い、広々とした浴槽に入った つられるように雪人も再び温かいお湯に身を沈めた。 純の濡れた髪、浮かび上がる鎖骨、ほんのりと上気する頬…。 直視出来ず、伏せ目がちに視線を送る。 逞しい腕で胸に抱かれたらどんな気持ちだろうか? 指で、唇で、触れて欲しい。 「雪人、見すぎ」 ついつい凝視してしまったのを純に咎められる。 「あ…うん…」 曖昧に返事をして、顔を背けた。 …どうしよう…純に変に思われる… お湯で温まったせいか頭に血が昇ってきた。 …意識して緊張する…。 お湯が動く気配がすると裸の純に抱きつかれた。 ひゅっ、と気道が狭まり体が硬直する… 「あっ…」 雪人の胸に純の手が触れ、それを見て心臓が大きく脈打つ。 「緊張してるね…ココ…尖ってる」 「あン…」 胸の先端を純の指が弾く。 「な…何…する…の…?」 純は雪人の肩に顎を乗せ、耳朶を唇で柔く食む。 「何…しようか…?」 耳から脳へ…純の声が響く。 雪人は不安を感じた。 確かに一瞬そう思った。 だが雪人の体は純の言葉に期待しはじめていた。

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