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第29話

「あッ…ダメ…」 純に執拗に胸の先を弄られて溜まりきった快感が辛さに置き代わっていく。 「く…うぅん…」 舐められて吸われて、涙が一筋流れた。 「そんなに気持ちいいの?」 「…あぁ…」 上目遣いで見られて雪人は身体がぶるっと震えた。 「こんなんで女が抱けるわけ?」 雪人の腹の上の白濁を純が掬ってみせた。 言われて雪人の全身がさらに赤く染まる。 「…ちがう…」 自分からそうしたいと言った事などない、父が命令するのだと心の中で訴えた。 力なく首を左右に振るが純はさらに雪人を追い詰めた。 「昨日は抱いたの?それとも…」 純は精を出し萎えていた雪人のモノを、白濁を纏った指で辿った。 「…抱いてもらったの?」 雪人は羞恥に震えた。 だが、気持ちとは裏腹に萎えていたはずのものは頭をもたげ始めていた。 …このまま…純に…されるまま…。 雪人の闇が…歪み始めていた。 昨日の夜、梨花が雪人に持って来た紅茶には媚薬と呼ばれる代物が混入していた。 梨花が意図してそうしたのかは定かでないが、飲んでしまった後、雪人は体調の異変に気づいた。 就寝前なのに鼓動が激しく体が熱く火照る。 体験した事の無い体調の変化と梨花に無理矢理唇を奪われた事で雪人は軽くパニックを起こした。

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