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第31話

こんな状況で雪人はされるまま、ただ震えていた。 「ほら、私が本気になったら言う事を聞くようになったわ」 薬で緩く勃たされた雪人の中心を見て梨花が嬉しそうに呟く。 いい子ね、と手を伸ばすが、梨花が雪人の中心に触れるとせっかく勃ち上がったモノは勢いを無くす。 「どうして?また口で…する?」 雪人の股の間に屈んで口に入れるが、梨花が舐めても吸っても再び勃ち上がる事は無かった。 「どうして!男なんて皆同じじゃない!」 思い通りにならないせいで梨花は声を荒立てた。 「ほら!私を好きにしていいのよ」 梨花は膝立ちになり自身のネグリジェをはだけて雪人に見せつけた。 薄いシルクが梨花の白く滑らかな肌を伝ってするすると落ちると心細くなるほど布地が少ない下着を露わにして、梨花は雪人を誘惑しようとする。 黒いレース越しに梨花の桜の蕾のようなピンク色が見てとれ、並の男ならいてもたってもいられないだろう。 だが、雪人は違った。 梨花が雪人に近づく程震えていたのだ。 雪人にとって梨花は悪魔の使いだった。 「はぁ…ん…!」 雪人は昨日の悪夢を思い出していた。 梨花が汚した跡を消すように純が上書きしていく。 「考え事なんかして…余裕だね」 純によって雪人の胸に深紅の薔薇が咲く。 「…ない…ないからぁ…」 意地悪しないで欲しい。 こんなに甘酸っぱい気持ちにさせられて。 余裕なんてある訳、ない。

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