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第43話

…肌寒い… 上掛けが肌から滑り落ちて室内の冷気にあたり、肩が冷たくなっていた。 いつも身に付けているパジャマを床に脱ぎ散らかし雪人は素肌を晒していたのだ。 裸に近い…というより全裸で丸くなって眠っていた雪人は意識がハッキリするにつれ、頭までも冷えていった。 雪人はベッドの中で曖昧な記憶を辿った。 …純に辱められた。 …というより純に辱められる事を願い、それが実行され快感に溺れたのだ。 …何て事をしているのだろう…。 駄目な事は分かっているのに身体が純を欲する。 熱っぽい視線を純に送り、触れられるだけで肌が粟立つ。 思い出すだけで腹の底がゾクゾクした。 冷たくなった肩に布団を掛け直すと後ろで人の動く気配が。 雪人は純のベッドで眠っていたのだ。 純はまだ夢の中にいるらしい。 時折微笑んでいるようにも見える。 生まれた時からずっと一緒にいるのに、純の本心が雪人には分からない。 自分は純に邪な気持ちを抱いている。 だからといって純が雪人と同じだとは限らない。 純は自分で遊んでいるのか? それとも…試しているのか? 考えても答えなど出る筈がなかった。 翌日新年を迎えるからといって子供二人がするような用事は無い。 慎ましく自身の部屋を整える事くらいだ。 雪人は午前中に一旦自分の部屋を清掃しに戻った。 たいして汚れてもいないので掃除はすぐに終わり棚も乱れ無く整頓された。 雪人は純の部屋に戻る前にそっと自分の引き出しを開けて底にしまってある物を確認した。 いつもと変わらずそこにある。 一目見て元に戻し、部屋を出た。

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