76 / 186
第76話
翌日、佐野を警察に引き渡すかどうか問われて、雪人は望まないと答えた。
…もう関わりたくない…
それが雪人の答えだった。
…大した事をされた訳では無い…
そう自分に言い聞かせ、佐野の事は忘れるようにした。
いつものように講義を聞き、図書館で関連書籍を調べる。
それから家に帰ってそれをレポートに纏めて、それから翌日の予習をして一日を終える…。
同じような生活をしていても心が乾き、体の疼きは止められない。
眠る前に入った風呂で雪人はあの日の事を思い出していた。
佐野は身動きの取れない雪人の服をはだけさせ、その肌に触れた。
その行為によって雪人は酷く高揚し、もっと触れられたいという欲望がふつふつと雪人の胸に湧いた。
自分の胸を触る…。
…こんな平坦な胸、何が良くて触るのか?
初めて自分の胸の飾りを摘む。
…じんわりと仄かな疼きを感じる…でも…。
「足りない」
両方をギュッと摘んで揉むめば先程よりも気持ちがいい…。
ぐにぐにと暫く弄ってから、片手は兆し始めた己に触れた。
「くッ…ン…」
感度が上がっているようで、ゆらゆらと腰が動く。
「あ…あぁ…」
そのまま擦り、直ぐに気持ちよくイッた。
お湯の中に留まる白濁を手で掬い、雪人はため息を吐いた。
ともだちにシェアしよう!