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第76話

翌日、佐野を警察に引き渡すかどうか問われて、雪人は望まないと答えた。 …もう関わりたくない… それが雪人の答えだった。 …大した事をされた訳では無い… そう自分に言い聞かせ、佐野の事は忘れるようにした。 いつものように講義を聞き、図書館で関連書籍を調べる。 それから家に帰ってそれをレポートに纏めて、それから翌日の予習をして一日を終える…。 同じような生活をしていても心が乾き、体の疼きは止められない。 眠る前に入った風呂で雪人はあの日の事を思い出していた。 佐野は身動きの取れない雪人の服をはだけさせ、その肌に触れた。 その行為によって雪人は酷く高揚し、もっと触れられたいという欲望がふつふつと雪人の胸に湧いた。 自分の胸を触る…。 …こんな平坦な胸、何が良くて触るのか? 初めて自分の胸の飾りを摘む。 …じんわりと仄かな疼きを感じる…でも…。 「足りない」 両方をギュッと摘んで揉むめば先程よりも気持ちがいい…。 ぐにぐにと暫く弄ってから、片手は兆し始めた己に触れた。 「くッ…ン…」 感度が上がっているようで、ゆらゆらと腰が動く。 「あ…あぁ…」 そのまま擦り、直ぐに気持ちよくイッた。 お湯の中に留まる白濁を手で掬い、雪人はため息を吐いた。

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