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第80話

「な…何を…」 ベッドの上で純が雪人にのしかかる。 優しげに微笑む顔は昔から変わらない。 「ごめんね雪人…寂しかった?」 純は雪人の頬に掛る髪を優しく撫で付け額にキスを落とした。 「寂しくなんか…あッ…」 タートルの裾から侵入した純の手が、雪人の肌に触れる。 温かく大きな手が雪人の胸を撫でると雪人の身体は大きく震えた。 「他には…触られて無い…?」 雪人は僅かにクビを縦に振った。 …誰も…触る人なんて… 脇腹を撫で上げ鎖骨を辿る指先に、雪人の欲情は刺激されてしまう。 「あ…ぁ…」 …純… …ずっとこうして欲しかった… 消えずに残っていた種火が勢いを付けるように、雪人の身体が快感を拾う。 服を押し上げられて露になった胸の先は勃ち上がり、色づいて純を待っていた。 「硬いな…痩せた?」 純に胸を撫でられ…確かに以前より体重は減ったような気がする。 だが、男なのだから女性のような柔らかさは素からありはしない。 「誰と…比べてる…?」 ほんの一瞬、純の指の動きが止まったが直ぐに雪人の肌を滑り出した。 「オンナノコ」 …女… その時雪人は、あの日見た梨花の姿が脳裏を過ぎった。 「梨花…?」 …あの、悪魔のような… 「…ああ」 純に肯定され雪人の心は悲鳴を上げた。 「代償…?」 震える声に純は答えなかった。 「ッ!…ンンッ…」 雪人の唇に吸い付くようなキスをして、純は雪人の言葉までも飲み飲んでしまった。

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