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第92話

純によって目覚めさせられた官能は形を潜めていたが数年経った今でも消えた訳では無かった。 彼以外に触れられても燻っていた焔は反応を示したが…雪人の初恋の相手…純は別格だった。 触れられた場所はどこも熱を帯び、感覚が研ぎ澄まされる。 産毛の一本までもが触れられる喜びにわななき雪人はいてもたってもいられない…。 大人と呼ばれる年齢になって酒が体内に入り、雪人の理性は吹き飛びそうだ。 夢中で純の唇に自分のそれを押し当て、唇を食む。 「…それは答えなのかな…」 純は雪人の頬に触れ、また一口ワインを口に含んだ。 人差し指で雪人の顎を掬い…見つめ合って口付ける。 とろ…っと、幾分粘性をもった液体を雪人の口腔に流し込み、髪を撫でた。 雪人は純の服を引き、ゆっくりとベッドに沈んだ。 「は…ぁ…あ…」 はだけた胸に純の髪が揺れて擽ったい。 「ぁン…!」 胸の先端を甘噛みされて、雪人は目に涙が滲んだ。「相変わらず…だな」 …変わる事なんて無かったから… 純の髪を掻き混ぜても耐えられずに喘いでしまう。 「あ…ぁあ…!」 あの頃よりも幾分か痩せて硬くなった身体が跳ねた。 舐められて、吸われて、待ち望んだ快感に身体は震えたのだ。

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