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第122話【R18】
キスをされながら雪人は服を脱がされる。
硬い蕾が開くように、大木はゆっくりと一枚づつ雪人を覆っている膜を剥いでいった。
「生きてるんだから、色んな感情があるでしょう?」
さらりと雪人の髪を撫で、キスをする。
ひとつ、ふたつと丁寧に、舐めるように…。
額や耳朶、首筋はまだ許容出来たが大木は雪人の肘を取り脇まで唇を這わせた。
「あ…せ、くさいから」
身震いをしながらもゾクリと背中が震える。
「匂いが濃くて、イきそうです」
大木は構わずに全身隈なく口付けた。
祈るように唇を近づけ柔く食む。
気が遠くなる程の時間、大木は雪人に尽くした。
頭から胸、腕、背中、腹、脚と続き、大木は雪人の足先を、まるでエスコートするように手に取った。
「僕は…あなたの辛そうな顔を見たくない」
大木は雪人を見つめ足先に口付けを落とした。
大木の口付けがあまりに優しくて、雪人は頬を濡らした。
大木に“泣かす”と言われた雪人はてっきり乱暴に抱かれるのだと思っていた。
だが大木はただ優しく、雪人に触れるようなキスを全身にした。
恥ずかしいような、こそばゆいような…そんな感覚が嬉しくて、雪人は知らず涙を流していた。
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