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第137話【R18】

雪人の意思を確認すること無く、粘膜を擦られ奥へと侵入してくる。 その大木の指を咥え込み強請るのは他ならぬ雪人自身だ。 羞恥からか葛藤はあるものの、雪人の欲望の火焰は確実に大きくなっていた。 「ねぇ…もっと…」 欲情を孕んだ目で大木を見遣る。 「もっと…?」 「…欲しい…」 大木に向かって伸ばされた腕は恋しい人を求めるそれだ。 華奢なその腕に大木はしっかりと捕らえられ、彼もまたその焔に煽られるように雪人を求め始めた。 「あッ…あン…」 目に溜まった涙は衝撃で宙に散った。 雪人は何度も突き上げられ、歓喜の声を上げた。 大木も容赦なく雪人を求め、爪の先まで全てを自分のものにしようとしている。 肌に刻まれるその所有印のチリチリとした痛みは、同時に雪人に多幸感をもたらした。 「あぁ…もっと奥に…ちょうだい」 両脚で大木の身体を挟み、雪人は貪欲に求めた。 …僕だけに… …すべてを… …僕のすべてを… …あげるから… 求めて、 求めて… 深い眠りにつきながら、なおも無意識に腕や脚を絡ませ、離れまいとする…。 大木に抱かれながら、雪人は微笑んで幸せに溺れていた。

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