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第147話

…どこからどこまで、雪人に話そうか… 純はずっと考えていた。 幼い頃から自分と、自分達の家について。 子供の頃から周りの子供よりしっかりしていた自覚はあった。 特に雪人は自分が守らなければいけない存在と認識していたせいで、少々過保護に接した覚えはある。 雪人は正式な白鳥沢家の跡取り。 自分は予備。 物心ついた時にはその立場を子供なりに理解していたと思う。 自分は雪人をサポートする。 そして白鳥沢家を守る。 そんな行き方に使命すら感じていた。 まず、雪人に声をかけようとする者達を排除した。 四六時中一緒にいるお陰で雪人の監視は容易い。 雪人はプライドが高いタイプだから自分から女に向かう事はないが罠に嵌められないように毎日細心の注意を払った。 先手を打った事だってある。 言い含めて、時にはこの身体を使って…。 そうやって大切に守ってきた甲斐あって雪人は穢れなき完璧な後継者になりつつあった。 …あの日までは。 「純、僕を守ってくれてありがとう」 雪人は初めて面と向かって感謝した。 「礼なんていらない」 「でも、僕だけ蚊帳の外にいるのは辛いんだ」 それは雪人の本音。 でも、純は分かっている。 純が知る全てを雪人には伝えられない。 …知ってしまったら、きっと雪人は耐えられない… 純は雪人と目を合わせられずにいた。

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