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SS-1-3『 きみとぼく』
「千隼、あの子の事……なの?」
さらさらのストレートヘアを風に揺らし、不安げに曇る瞳。
学校からの帰り道、半歩遅れて歩く桜人がボソリと呟いた。
「え?」
振り返っても木枯らしが吹く音が、桜人の声を遮った。
「よく聞こえなかった。桜人、何?」
「…何でも…」
言い淀んで桜人は明後日の方を向いた。
家に着いてからも桜人と目が合うことは無くどこか拗ねているような挙動。
思い当たる節は一つ。
女子に呼び出された事。
中庭で話していたのを見たんだろう。
帰宅後いつもは一緒に勉強しようと僕の部屋に来るのに今日は来なかった。
夕食も黙って食べ風呂も別。
今日はもう桜人の可愛い姿が見られないんだ、と諦めて早々にベッドに入った。
だがそんな状態で眠れる訳もなく、ゴロゴロと寝返りを繰り返した。
「桜人…おと…」
名前を呼んでみても返事が返ってくることも無く…寂しさから自分を慰めた。
下着の上からやわやわと揉み、緩く勃ち上がってから中に手を忍ばせた。
下生えもだいぶ大人のそれと同じようになり、手のひらに触る。
「ん…は…ぁ…」
横を向き、重力にやや抗い始めたモノをゆるゆると扱いた。
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